デザインする前に、ストーリー開発
今回は最近携わった新しい飲食業態の「ネーミング開発」と「ロゴ開発」のプロジェクトでデザイン制作前に行った「ストーリー開発」について今後も続けてみたいと思ったのでざっくりですがまとめてみたいと思います。
デザイン提案までのフローとしてデザイン制作する前に「イメージ・ムードボード」や「四象限」で方向性を立てて制作に取り掛かる方は多いと思います。
私も携わったプロジェクトのほとんどはそういったフローを踏んできました。要件を整理しながらも方向性を精査する為に行うのですが、今回は新業態(ローンチ前なので内容は触れずに書きます)という事もありクライアントと制作側の共通の理解も深めようと思い事業の「ストーリー開発」から制作を開始しました。
「ストーリー開発」でやったこと
まず、今回の事業に関係する人などのステークホルダーを洗い出しました。
今回の新業態が仮に飲食店とした時に、想定されるカスタマーのペルソナや、スタッフや外部スタッフや関わる業者、近所の人(利用しない人も広く)など挙げていき、その人達の関わるチャートを一日の時系列でまとめていきました。平日と週末の両方を制作していきます。
そのチャートを俯瞰してみて、この飲食店の周辺でどのようなストーリーが各ステークホルダーで展開されていくか未来予想をいっぱい集めていきます。そのいっぱいのショートストーリーを、一つにまとめてクライアントへ共有しました。
なぜ「ストーリー開発」なのか?
ストーリー開発をデザイン制作の前に行うのは下記の通りです。
・クライアント・制作側の共通の事業イメージを共有する
・提案内容のできる、できないを早い段階で一致させる
・何を作るべきなのか意見を一致させる
ストーリー開発は、クライアントとの共通の解像度をあげることを目的としています。
実際、ストーリーを共有していく中でやれること、できないことを最初から会話しながら一致させることができました。無駄な提案物を作らずに済むし、何を提案し、何を作るべきなのか意見を一致させるためには有効だと感じました。そういった過程の上で、イメージ・ムードボードや、四象限の軸の設定が行われると更に良い提案が実現できると思います。
過去の経験で、最初の方向性の合意は取れたんだけど、イメージが具現化されて意見が分かれて振り出しに戻ったなんてことが(恥ずかしながら)あったりしますが、そういった問題をストーリー開発は解決するかもしれません。
多少、デザイン制作スタートまでの時間はかかりますが、全工程を俯瞰で見たら近道の手段だと思います。