世界で通用する欧文組版
はじめまして。グランドデザインの市川です。
デザインに携わり、かれこれ15年以上になります。
立派なベテランです。と言いたいところですが、中途で入社して半年なので、社歴は半年の新人でもあります。いままでの職歴は、高級宝飾品のカタログなどの企業の広報物、いわゆる紙モノを扱っていました。
グランドデザインではグローバル企業の英語や中国語でのコンセプトブックやカタログをチームで制作しています。
仰々しいタイトルをつけていますが、「世界で通用する欧文組版」をするにはどうすれば良いか?を整理しながら共有して、自分の備忘録として学びを深めるために記していきます。なので間違いや、知識の浅さがあったらどんどんコメントください。(怖いけど)
そして、この投稿がこれから欧文を組む人や、なんとなくやってきたけど、そろそろしっかり学びたい人の助けになれば幸いです。(急に上司から英語版の冊子を振られて、どうすれば良いのか分からずネットをさまよった昔の自分のような人の助けになれば最高です)
なぜ欧文組版なのか?
私が欧文組版に興味を持ったきっかけは、書体が好きという事もありますが、
それよりもグラフィックを極めるデザイナーは多いけれど、組版を極めようとする人が自分の周りには少なかったからです。
もちろんグラフィックもできて組版もできるのが一番なのですが、30代になったときにみんなが持っていないスキルを身につけたい!と漠然と探していたときに、欧文組版にちゃんと向き合うきっかけがあったのがはじまりです。
それは、高級宝飾品の写真カタログを担当する際に、限られた文字情報をビジュアルの邪魔をすることなくレイアウトしていく、うつくしく読みやすい欧文組版の重要性に気づいたのがきっかけです。
なのでこれを読まれているみなさんより、欧文組版を意識しはじめるのが遅かったかもしれないです。
良い組版は褒められない。
美しく読みやすい欧文組版を心がけても、実際は誰も褒めてはくれません。
(自分は褒められてさらに伸びるタイプです!)
でも、本来は美しく読みやすいものが組版にとって当たり前だからです。
DTPが普及して、文字を組む事が身近になり、当たり前の事ができていない制作者が増えてきているように思います。私がそうでした。
アプリケーション側で文字組みの設定を適切にするだけで、組版のルールを知るだけで、使っている書体を詰め情報の入った書体に変えるだけで、格段に組版は良くなります。
書体の歴史や由来などを知っていれば、書体選定が的確に行えます。(今も勉強中です)
そしてそんな技術を手に、読む人のことを考えながら丁寧に組版をしていくと、地味だけどその文字がただの情報から活きた「活字」に変わる境界がある気がします。
最後に良い欧文組版とは「思いやり」と教えていただいた
欧文組版の本と、著者である嘉瑞工房で刷られたしおりを紹介します。
Good print is silent ambassador of yourself
「よい印刷は(組版)はあなたの沈黙の大使です」
その嘉瑞工房の高岡さんが開いている「TypeTalks欧文分科会基礎編」がちょうど今オンラインセミナーというかたちで募集開始しているようです。
関係者ではありませんが、自分はこの講座を受講してから、今まで何となくやってしまっていた欧文組版の基礎を学べ、たくさんの気づきを得ることができました。そして、今も続く「世界に通用する欧文組版」をしていきたいという強いモチベーションとなっています。
http://www.aoyamabc.jp/culture/oubun_basic_online/
次回の投稿では、欧文書体の歴史についてまとめてみたいと思います。