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『名探偵コナン』名探偵図鑑の女性探偵達
今回はちょっと横道にそれますが、『名探偵コナン』に関する記事です。
『名探偵コナン』は言わずと知れた日本で最も有名なミステリ漫画と言ってもいい作品で、ミステリ好きの方に限らず誰もが知る作品です。現在103巻(2023年9月19日現在)まで刊行されているロングセラーです。
お読みになった方はご存じですが、コナンの単行本の表紙の折り返し(袖)の部分に『名探偵図鑑』というコーナーがあります。著名な作品に出てくる名探偵を紹介するコラムに、青山剛昌先生が描く探偵のカットが載っているものです。日本人作家の小説、漫画、翻訳作品、映画、ドラマ、ゲームと多くの媒体からピックアップされています。
個人的にはこのコーナーこそ「知らないミステリ作品を知る」導入として大きな役割を担っていると思っていて、それで気になっていました。
『少女トラベルミステリ』なので、ワタシがチェックしたのは女性探偵がどのくらい含まれているか、誰が取り上げられているかです。大変ありがたいサイトを発見し、そこに最新刊までの名探偵がリストアップされているのを確認しました。(テキスト付記されているキャラは一部なので、カット部分の引用だけのキャラも多いです)
この百三人の中から女性探偵をチェックしてみました。
12巻 V・I・ウォーショースキー
14巻 コーデリア・グレイ
20巻 ミス・マープル
36巻 キャサリン・ターナー
51巻 朝吹里矢子
59巻 ブロンクスのママ
80巻 篠川栞子
84巻 リスベット・サランデル
85巻 福家警部補
88巻 掟上今日子
89巻 九条櫻子
91巻 凛田莉子
96巻 三澄ミコト
99巻 猫猫
102巻 藤聖子
一番最初、12巻に取り上げられているのはV・I・ウォーショースキー。サラ・パレツキーのヴィク・シリーズの主人公であり、アメリカ、シカゴの私立探偵です。デビュー作『サマータイム・ブルース』から20冊以上続くシリーズです。
次は14巻、コーデリア・グレイ。P・D・ジェイムズの『女には向かない職業』『皮膚の下の頭蓋骨』に登場する女性私立探偵。こちらはイギリスの探偵です。コーデリア・グレイシリーズはアダム・ダルグリッシュ警視シリーズの番外編らしく、二冊だけしか出ていません。
20巻はミス・マープル。名前はジェーン・マープルで、イギリスの架空の村、セント・メアリー・ミード村に住む未婚のおばあさんです。彼女は職業探偵ではなく、事件に巻き込まれては解決する状況になります。初めて登場したのはアガサ・クリスティの短編集『火曜クラブ』ですが、単行本の刊行は長編『牧師館の殺人』が早いです。
36巻はキャサリン・ターナー。外国人の名前なので翻訳作品の主人公と思う人も多いかもしれませんが、山村美紗のキャサリンシリーズに登場します。(検索をかけると女優のキャスリーン・ターナーの方が上に来るので地味に面倒です)初登場作品は『花の棺』。アメリカ副大統領の娘という設定で、外国人セレブである立場だからこそのストーリー展開です。
ちなみに昔、2時間ドラマ全盛期にはキャサリンシリーズも多くドラマ化されました。(必ずしも原作通りの立場ではなく、日本人女性に置き換えた作品も多いです)
51巻は朝吹里矢子。夏樹静子の朝吹里矢子シリーズの主人公で弁護士です。イソ弁(居候弁護士)の立場の若い女性です。弁護士の立場で事件に関わることになります。こちらも多くテレビドラマ化をされました。初登場作品は『星の証言』です。
59巻はブロンクスのママ。ジェイムズ・ヤッフェの書く安楽椅子探偵の初老の女性です。本名は登場しません。週末、息子のデイヴィッドが妻と食事にやってくる時に話を聞いて推理する物語です。初登場作品は『ママは何でも知っている』です。
80巻は篠川栞子。三上延のビブリア古書堂の事件手帖シリーズに登場します。北鎌倉にある古書店『ビブリア古書堂』の店長です。亡父の店を継いだ25歳。舞台が古本屋なので基本は古本絡みのエピソードです。初登場は『ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』です。
84巻はリスベット・サランデル。スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンのデビュー作『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』に登場する人物です。ハッキングを得意としますが、犯罪者でもあり、成人ですが後見人がついています。タイトルの『ドラゴン・タトゥー』というのはリスベットに入れられた刺青のことです。本来は全十冊だったのが、作者死亡のため三冊しか出ていませんが、作者は第一作の刊行前に死亡しました。
85巻は福家警部補。大倉崇裕『福家警部補シリーズ』に登場する女性刑事です。小柄で眼鏡をかけた女性で、実年齢よりかなり若く見える人物です。初登場作品は『福家警部補の挨拶』収録の『最後の挨拶』です。フルネームは書かれていないキャラです。
88巻は掟上今日子。西尾維新の『忘却探偵シリーズ』に登場する探偵で置手紙探偵事務所の所長です。一日で記憶を失う、総白髪で眼鏡をかけた女性です。記憶を失った時に読めるようにマジックペンで自分の情報を体に書いてあるというキャラです。初登場作品は『掟上今日子の備忘録』です。
89巻は九条櫻子。旭川市に住む、標本士という珍しい職業の女性で、名家のお嬢様です。検視官としてのスキルを持っています。初登場作品は太田紫織『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』。拾った死骸を材料に骨格標本を作る趣味のあるキャラです。
91巻は凜田莉子。松岡圭祐のQシリーズに登場する『万能鑑定士Q』の店を営む鑑定士。沖縄、波照間島出身で子供の頃には実技科目以外はオール1だったところから成長して万能鑑定士となるキャラです。初登場作品は『万能鑑定士Q』です。
96巻は三澄ミコト。TBSのドラマ『アンナチュラル』に登場する法医解剖医です。不自然死究明研究所(UDIラボ)に持ち込まれる不自然な死を解明していく物語です。TBSテレビ系『金曜ドラマ』で2018年1月12日から3月16日まで放送されていました。三澄ミコトを演じたのは石原さとみです。
99巻は猫猫。日向夏『薬屋のひとりごと』に登場する主人公です。架空の中華風の帝国を舞台としたファンタジィ作品で、猫猫は後宮で薬師としての能力の高さで活躍します。『小説家になろう』投稿の人気作の書籍化作品です。
102巻は藤聖子。元女性警察官である泰三子の漫画『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』の巡査部長です。元は岡島県警、刑事課のエースでパワハラで左遷されてきた、勝ち気で横暴な美女です。連載はモーニングです。
いろんな媒体、作風の作品から幅広く取り上げられています。未読の作品もたくさんありましたので、これを機会にいろいろ読んでみようと思います。
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