少女トラベルミステリ内での『少女探偵』の定義
前回の記事で思った以上にきっちりと定義ができて、大変珍しくフィードバックがありました。
ワタシがメインで使っているSNS、Blueskyのポストです。ありがたい限りです。占魚亭🎶📖❤️さんありがとうございます。大変参考になったので貼らせてください。そしていつの間にかBlueskyのポストも埋め込み可能になっていたことに今気付きました。ありがたいです。
前回の定義のやり直しでこぼれ落ちた部分です。
『少女トラベルミステリ』ではどういうキャラを『少女探偵』と定義するか。今回はこのテーマで書きたいと思います。
まず前回で『少女』については定義しました。
前回は探偵かどうかという部分については敢えて外していましたが、今回は『探偵』をどう認識するかから始めます。
まず大前提の条件として「事件を解決まで辿り着き、その事実を開示する人物」です。これはストーリー進行上他のキャラに公開する必要まではなく、読者にその事実を把握できる形のイベントがあるかどうかです。たった一人で事件を捜査し、真実に辿り着くのだとしても『探偵』と認識します。
捜査権を持つ捜査機関に務める人物や、弁護士、保険業、探偵業者などの調査の必要がある仕事に就いている人物だけでなく、何か事件があった時に調べようとする素人探偵についても『探偵』と認識します。
そして「事件を捜査し、事実を確認することができる人物」です。「探偵(もしくは探偵的な役どころ)と名乗っているか」は条件としません。それだと『名探偵テームズ』のテームズや『お嬢さま作家・春菜の事件簿』の二条春菜は堂々と探偵役になってしまいます。二人共探偵というよりは事件解決の邪魔となったり、道化としての役どころで、事件を解決しているのは他の人です。
大人の女性探偵と少女探偵の区分については、上記の少女の定義のみが決まっていました。基本は『未成年の女性(成人女性でも一部の例外あり)』です。では逆にもっと若い女児の探偵とどう区別を付けるかについては、現時点ではこう考えています。
「保護者がいない時に無条件で一人で出かけることを歓迎されない」年齢までを『女児』と認識します。具体的な年齢は設定しませんが「普段出かける時にも保護者の許可が要り、周囲の人間もそれに違和感を持っていない」「事件現場にやってくる時に保護者かそれに準ずる人間が同伴している」「単独の場合は保護者をごまかして事件に関わっているか、何らかの不測の事態が起こり保護者が同伴していない」必要がある歳頃のキャラを『女児』とします。
つまり『こけし探偵局』の、小学校三年生のパコは『女児』探偵という認識でいます。
「単独で事件に関わっている時に、女性だからではなく『幼いから』気遣われる立場の女性」を『女児』と認識し、『少女』から除外しています。
他の要素からも考えてみましょう。「能力の高さが尋常でない場合、大人として認識し、少女の範疇から除外するか否か」です。
『少女トラベルミステリ』では「どれだけ能力が高くても『少女』から除外しない」という方針です。
ここで例に挙げるのは『スケバン刑事』の麻宮サキです。
後半は巨悪と戦うアクションものとしての要素が強いですが、初期はかなりミステリ要素が強いです。彼女は警察から捜査権、逮捕権を与えられた学生刑事で、本人の戦闘能力も尋常でなく高く、成人男性以上です。最終回は鷹ノ羽高校の卒業式なので、(留年はしていますが)サキの高校時代の話で終わります。
そして名探偵ヒロインと認識されるキャラクターは、ほぼ全員が卓越した推理能力を持っているはずですし、『燁姫』の瀬名生燁姫の実家の太さ、正体を隠して『ギャラリー燁姫』の画商としてのトップに立っていることを考えれば、大人以上の影響力を持っているはずです。
ミステリではありませんが『有閑倶楽部』の六人が、とんでもない経済力や社会的地位を持っていても未成年としての評価を受け続けていることと比較すると、サキも燁姫もある意味大人としての扱いを受けていると言ってもいいでしょう。
それでも『少女トラベルミステリ』では彼女達は『少女探偵』のカテゴリに入れています。
能力でふるいにかけてしまうと、特殊設定ミステリの少女探偵は一通り消えてしまうことになります。ただでさえ少女探偵は決して多くはないのです。可能な限りは残しておきたいとは思います。
そして最後にキャラの能力や年齢などと全く関係のない要素について考えようと思います。「探偵役は他にいて、アシスタント的な立場の少女探偵がいる作品は『少女探偵もの』なのか?」という問題です。
個人的には少女探偵のリストを作る時には入れてもいいと思っているのですが、『少女探偵ものの作品』とは言い難い気がします。
ポテトとスーパーシリーズの可能キリコも、仁木兄妹シリーズの仁木悦子も探偵としてはサブ的な存在です。(仁木悦子は大人となり、子供がいる時期には単独で探偵役の作品が出ているので、「うーん、少女探偵の時期がないいい!」とシャウトする羽目になりました)
ちなみにメインで採り上げる『星子ひとり旅シリーズ』の流星子は少女探偵ではない、『幽霊事件シリーズ』の水谷麻衣子は少女探偵であるという認識です。(でも両方ともが『少女』が『トラベル』する『ミステリ』です)
あと、探偵のキャラクターが登場していてもミステリではない作品(ある程度広義のものを想定)は『少女トラベルミステリ』では扱いません。こんな感じで考えています。