「その子の世界を邪魔しない」--私の子育ての心がけ
子どもが何かに夢中になっているとき、どんなに小さなことでもその世界は彼らにとってかけがえのないものです。私は「子どもの世界を邪魔しない」というポリシーを持って育児をしています。最近、改めてその大切さを実感する出来事がありました。
先日、息子が洗面所で何やら一生懸命作業をしていました。私は顔を洗いたかったので「どいてほしいな」という気持ちも正直ありました。しかし、彼の真剣な表情を見ていると、「この瞬間を邪魔するのは良くないな」と思い、少しの間そのままにしておくことにしました。
しばらくすると、彼は突然「できた!見て!」と瞳をキラキラ輝かせながら、小さな手で何かを持ってきました。それは彼が洗面所で一生懸命作っていたおもちゃの「要塞」でした。
「ここから水を入れてあげてー」と説明してくれる息子。正直に言うと、私にはその要塞が何なのかはわかりませんでした。しかし、彼の中ではこの要塞には確かなこだわりと意味があり、それがとても大事なものに見えました。
その夜、彼は「要塞が寒いとかわいそうだから」と言って、タオルをかけてあげていました。その姿を見て、胸がじんわりと温かくなったのを覚えています。
大人の目には何でもないようなことでも、子どもの中では壮大なストーリーが展開されていることがあります。その世界を壊してしまうのは簡単ですが、壊さないであげることで子どもたちの輝く瞳や成長を目にすることができます。
忙しい日々の中で、つい急いで声をかけてしまいがちですが、ほんの少し待つだけで子どもの世界が広がり、そこに大人も新しい発見をさせてもらえるのです。
私はこれからも、彼の世界を邪魔しない育児を続けていきたいと思います。彼の瞳の輝きが、その大切さを教えてくれたからです。