兼業農家を家業に持つ、峯岸 祐高さん
家業があって、それを自分に合った形でサポートしたり、進化させたりしている人のことを、僕らはグラフトプレナーと呼んでいる。いったいみんな、どんな活動をして、どんな毎日を送っているんだろう。今回は兼業農家を家業に持つ、峯岸 祐高(みねぎし・ゆたか)さんを紹介。
幼いころから親しんだ農業とおおきな古民家
埼玉県所沢市で兼業農家をしていたおじい様とおばあ様をもつ峯岸さん。実家はおじい様とおばあ様が住む家の横にあったので小さい頃から農業に触れる機会が多く、学生時代は田植えや薪割りなどをよく手伝っていたそうです。普通ではできない体験だからこそとても楽しかったと言います。
そんな峯岸さんは三年ほど企業で働いた後、自分で会社を始めようと考えます。しかしどんな事業に挑戦すべきか悩んでいた時に、おじい様とおばあ様が住んでいた家と使っていた畑が空いていることに気づきます。
▲ひろびろとした贅沢な古民家の空間
「私が会社を始める時には祖父と祖母が亡くなってから数年が経っていました。二人が残した古民家は取り壊すという話も出ていましたが、思い出のある家をなんとか残せないかと検討していたところでした。自分自身どんな事業をするべきか考えた結果、結局自分の身近なところからはじめたいと思いました。そこで二人が残してくれた資源を活用したいと考えました」
農園つきの宿泊施設で体験を共有
「最初は家に住んで畑で野菜を作ろうと思っていたのですが、いざ農業のことを勉強しようと研修に出たら農業はすごく大変だということを知って、これから先10年食っていくことはできないと思いました。そこで”体験”を売ろうと思い、まずは体験農園から始めました。その後、それに来てくださったお客様が古民家を見て『ここに泊まりたいね』と言ってくれたことで需要を感じ、体験農園だけだった事業を体験型の貸し農園付きの宿泊施設に切り替えました」
峯岸さんのご両親はおじい様とおばあ様が残した古民家を宿泊施設として活用することを心配していたようです。
「自分たちが住んでいたところに人を泊めてお金をもらう感覚はなかったようで『大丈夫なの?』と最初は聞かれていましたね」
農業を軸にしてさまざまな事業を展開
ご両親の心配をよそに事業は順調に進み、現在はおじい様とおばあ様の残した古民家は改装して古民家付き農園corotとして運営しています。それだけでなく、地域に特化した野菜の流通事業ころいち、地元野菜をメインにしたイタリアンレストランナチュールを三店舗経営しています。
多岐にわたって手広く事業く展開する峯岸さんの会社は今年で11年目を迎えました。
▲埼玉、東京の農家さん達の野菜を飲食店や小売店に流通させたり、マルシェを企画運営したりしている。
「これから先は全国の生産者とお付き合いしていけるよう、裾野を広げたいです。その前に今はコロナウイルスが大変なので、なんとか今後1年間を乗り越えて行こうと思います。現在、野菜の流通の方で人材を募集しています。10年続けて来たからこそ、やり方や考え方が凝り固まってしまっている面があります。11年目を迎えた今だからこそ新しい風や新しい考え方に触れたいです。違う業界でも、農業や野菜に興味がある人は気軽に連絡してください」
グラフトプレナーのイベントで知り合ったフルーツアドバイザー・原さんの紹介で、峯岸さんは、家業を持っている人のオンラインコミュニティ家業エイドに参加することにしました。
「普段、自分の会社や取引先、友人などコミュニティは限られていますが、全く違うコミュニティの情報って貴重ですよね。それも家業という切り口のコミュニティ。私自身は継いだ感覚はありませんが、みなさんがどんなことに悩みどんなことを思っているのかは知りたいですし、家業から引き継いだ資源を活用しているという点では同じ感覚を持っている人が集まっていると思うので、これから勉強させてもらいたいと思っています」
株式会社corot
https://corot.co.jp/
東京ネオファーマーズ
最後までご覧いただきありがとうございます😊
本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。
運営チーム一同より
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