町のパン屋を家業に持つ、アイダ アイさん
家業があって、それを自分に合った形でサポートしたり、進化させたりしている人のことを、僕らはグラフトプレナーと呼んでいる。いったいみんな、どんな活動をして、どんな毎日を送っているんだろう。今回は、町のパン屋さんを家業に持つ、アイダ アイさんを紹介。
パン屋さんを家業に持つアイダさん。キャラクターパンから天然酵母の本格ハードパンまで幅広く取り揃え、店内販売はもちろん、地域の学校で委託販売をしているのも特徴の地域密着店です。「一階がパン屋、二階が自宅だったので『アイちゃんの近くにいるとパンの匂いがするね』と言わた事があります。保育園生の頃からレジを打ったりしてよくお店を手伝っていました。お店を持つ家に生まれたことは当たり前すぎてちゃんと考えた事はあまりなかったのですが、自分の生まれる年に始まったお店なので歳を重ねるごとにそれだけ長くお店が続いているんだな、これからも長く続いてほしいなと思います。」
▲お店の改装と小学校入学を記念して(アイダさんご本人とお店)
現在、アイダさんは家業のfacebook・Instagram・LINE公式アカウントの3つのSNSの運営を担当しています。実家を離れて改めて実家のパンの美味しさに気づき、もっとたくさんの人にその魅力を知ってほしい、離れていても自分にできることは何だろうかと考え、始めたそうです。「本格的に関わって運営を始めたのは去年の6月頃からです。現在はInstagramのフォロワー数は30人から270人に増え、投稿を見て来店されるお客様も増えつつあります。コロナの影響で頻度高く来店を促すことはできませんが、LINE公式アカウントでのコミュニケーションを通じて既存のお客様の繋ぎ止めには成功していると思います。あと、作業は基本的にリモートで行っています。母はお店に立っている間、製造・販売と忙しくしているため送ってもらった写真をもとに私が行間を埋めて投稿しています。母娘のあうんの連携です。笑。SNSはアカウントの運用方針だけすり合わせておけば、リモートで運用することに何の無理もないですし、家を離れていたり普段は家業とは別の仕事をしている家業持ちさんでも取り組みやすい支援だと思います。」
▲店頭にならべられた焼き上がったパンの数々
昨年までビジネススクールで経営学を学んでいたアイダさん。「『季節やイベントに合わせたパンを開発して、それと同時に計画的なプロモーションをすることによって、新規のお客様には初来店のきっかけを、既存のお客様には来店頻度を上げる機会にしよう』と提案しました。合わせて、職人気質の父にも提案を受け入れてもらいやすいよう現場理解に努めました。社会人になってからは忙しく会社勤めをして10年くらい家業と距離を置いていたことにはたと気づいたのです。そこで今のお店の状況がわかっていないままアドバイスや提案をすることはできないと思い、まずお店に立って手伝いをして家業の今を確認してから新しい取り組みを始めました。」
▲家業に提案をするにあたって、たくさんのノートに検討過程をメモした
年の離れた弟がいるアイダさんは事業継承についてこう話します。「今のところ私が家業を継ぐ想定はありませんが、家を離れていてもできる支援は続けていきたいです。また、もし弟が家業を継ぐようになればその間を繋ぐことはしていきたいです。自分自身これまで家業とは別に人材サービスを仕事にしてきました。女性としてどうバランスをとって働いていくのか、ライフデザインするのか、家業と関わっていくのかを考えながらこれからもアグレッシブに前進していきたいです。」
▲年の離れた弟さんとアイダさんご本人。お店の前で。
アイダアイさんのnoteはこちら:https://note.com/namaehaai
お店のInstagramはこちら:https://www.instagram.com/bmogumogu
お店のFacebookはこちら:https://m.facebook.com/ベーカリーモグモグ-297045373790663/
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本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。
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