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種麹製造業を家業に持つ、村井裕一郎さん

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家業があって、それを自分に合った形でサポートしたり、進化させたりしている人のことを、僕らはグラフトプレナーと呼んでいる。いったいみんな、どんな活動をして、どんな毎日を送っているんだろう。今回は、種麹製造業を家業に持つ、村井裕一郎さんを紹介。

プロフィール
お名前 村井 裕一郎(むらい ゆういちろう)
ご年齢 40歳
何代目 29代目
家業 種麹製造業
事業承継の予定 5年前に継承
現在やっていること 29代当主

愛知県豊橋市で室町時代から続く種麹メーカーを家業に持つ村井さん。種麹とは、味噌や醤油、日本酒、焼酎、みりんなどの発酵食品に欠かせない米などを原料にした麹菌のこと。村井さんは5年前35歳の時に家業を継ぎ、29代当主となりました。小さい頃は住んでいる家と種麹工場が同じ場所にあり、学校に行く時は会社に勤めている人に挨拶していたそうです。
「でも、種麹屋というのがどういった商売かというのは大学生の時まで詳しく知りませんでした。地元にいるときは誰々の息子さんという目で見られることが多く、当時はすこし鬱陶しく思っていましたが、いざ継いだら経営者は会社の顔ですからそんな事を思うこともなくなりました。経営者の会合に出ると親世代の方は私の小さい頃を知っているので『成長したなあ』と言われる事もありますよ。」

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▲麹菌の種である種麹。

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▲種麹のパッケージ。実際に商品として売られる時はこのような包装になる。

大学を卒業しアメリカでMBAを取得後、家業に就職した村井さんは当主になった今もなお『成長と膨張は違う』という父親の言葉がが心に残っているそうです。
「ベンチャーやスタートアップは負担をかけて反動で伸びていくことが大事ですよね。しかし家業継続はそういった発想だと難しいのです。家業は駅伝なので繋いでもらったタスキをリタイアせず次に渡す事、無理をせず丁寧に続ける事が大切だという父からの教えです。」

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▲商品とともにお店に立つ村井さん。麹や発酵の魅力を精力的に伝えている。

村井さんは発酵と地域の未来の為に学びと挑戦を続けています。
「発酵はサイエンスとカルチャー、両方の軸を持っています。そしてその間にあるのがアートだと私は考えているので、京都芸術大大学院に通って伝統とデザインを学び、未来を志向しています。発酵自体が注目を浴びている今『発酵の文化を広めたいね』と醸造業界のみなさんと話していて、まずはお家で麹を作る趣味を持つ人を増やしたいと思っています。例えば蕎麦打ちの趣味を持っている人は日本に100万人弱います。そのレベルまで持っていければ、麹や発酵が茶道や花道のように文化として体系化できると考えています。」

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▲麹の様子。ひとくちに麹と言っても見た目も質感もさまざま。

家業持ち同士が繋がってお互いの家業を手伝うSlackコミュニティ”家業エイド”に参加している村井さん、同志であるグラフトプレナーへメッセージをくれました。
「完全に家業に入る人も週末だけ手伝う人もどんな選択をしても家業があるという事は幸せな事だと思います。親から伝えられたものを誰かに繋ぐまで、その時代の主役は自分なので、その時代に応じた関わり方を見つけて欲しいですね。」


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本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。

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