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Apple Vision Proアイディアソンで、88個の企画が爆誕!アイディア創出の裏側に迫る。

Graffityでは半年に1回のペースで、新規事業に採用することを目的としたアイディアソンを実施しています。8月から9月にかけて実施されたアイディアソンでは、Apple Vision Proを活用したキラーユースケースを考えることを目標に設定し、88個もの企画が集まりました。本記事では、CEOの森本俊亨にアイディアソンの実施背景や、クオリティを高めるための取り組みについてインタビュー。また、特に多くのアイディアを提出した、井上嵩教(ディレクター/デザイナー)と髙村純一(3Dデザイナー)に、アイディアを生み出すための工夫や日頃から意識していることを聞きました。

左:3Dデザイナー髙村、右:ディレクター/デザイナー井上

▪️インタビューイー
CEO 森本 俊亨
ディレクター/デザイナー 井上 嵩教
ディレクター 髙村 純一

「Apple Vision Proを通した、人々と空間をつなぐキラーユースケースを考える」今回のアイディアソンの実施背景

——アイディアソンの概要と実施背景について教えてください
森本:Graffityで開催するアイディアソンは、特定のテーマに対してメンバーでアイディアを出し合って、新規事業に採用する目的で実施しております。また、余力があるときはアイディアだけに留まらず、実際にプロトタイプまで作るハッカソンを開催しています。前回は年末年始にApple Vision Pro向けの空間ゲームをテーマにアイディアソンを開催したので、半年に1回くらいのペースでアイディアソンやハッカソンを実施しています。弊社がバリューで掲げる「ASOBI++(アソビプラス)」の施策1つでもあり、アソビのあるアイディア作りも同時に推進したいと考えています。

——今回のテーマについて教えてください
森本:今回はApple Vision Proを通して、人々と空間をつなぐキラーユースケースを考えることが目標でした。Apple Vision Proについてユーザーインタビューをしたところ「働く」というシーンで活用している人が多いことがわかりました。具体的には、Apple Vision Proを通して目の前にPCのモニターの画面を表示して、キーボード入力をしながら仕事をするという「PCの周辺機器の拡張」として活用されています。Apple Vision Proを活用しながら仕事をする環境をより便利により楽しくできる空間に変える工夫はできないかというところからアイディアソンがスタートしました。

今回は「仕事で活用できる」または「仕事をしながら利用できる」というユースケースで、3つのテーマを設定してアイディアを募りました。

1. PC周辺機器を活用した業務を、Apple Vision Proに置き換えるとどうなるか
2. 仕事中の息抜きや、合間に楽しめるエンタメコンテンツにApple Vision Proを活用できないか
3. Apple Vision Proならではの機能を活用して業務効率化する方法はないか

「問い」と「制約」を設け、事前ワークショップも実施。質の高いアイディアが集まる工夫


——Graffityが考えるアイディアソンとはどのようなものでしょうか?
一般的にアイディアソンというと、特定のテーマに対して自由にアイディアを出していくことだと思いますが、私たちは「問い」と「制約」を明確に設けています。
今回のテーマでいうと、「仕事をしながら利用できる」という前提条件、使用場所は自宅で使用時間は2〜3時間、ターゲットはApple Vision Proを購入しているようなApple支持者やデベロッパー層に絞る……などの制約を設けてアイディアを出してもらっています。

もうひとつ明確に違うポイントは、最終的なアウトプットをスライド1枚にまとめてもらうところです。文章だけのアイディアにはアソビが足りないので、具体的なイメージをも付け加えていただいており、いわゆる“ペライチ”の企画書を投稿してもらっています。その1枚のスライドで企画のイメージを表現するというところまでメンバーに協力いただいております。
アイディアの提出後はスライドに対してメンバーそれぞれが投票します。票数がそのまま評価に反映されるのではなく、そこからマネージャーと経営陣で入賞や優勝を決めていくという形式です。


——今回のアイディアソンの手応えはどうでしたか?
森本:前回のアイディアソンでは全体で50個くらいの企画が出たのですが、今回は前回を上回る88個も提出されました。
24人の参加者で、1回のアイディアソンに対してこれだけの数が出るというのは誇れることだと思います。しかもペライチの企画書に落とし込むという形式です。それだけメンバーが、Apple Vision Proのアイディアに対して熱量が高く、興味を持っていることだと感じられます。質の高いアソプラなアイディアもいくつか集まったので、今回のアイディアソンはうまくいったと思います。

——アイディアソンのクオリティを高めるために取り組んでいることはありますか?
森本:テーマに対していきなりアイディアを募るのではなく、段階を設定しながらメンバーでワークショップ形式で進めました。

アイディアソンのMiroワークボード

例えば、「仕事をしているときの息抜きや、合間に楽しめるエンタメコンテンツにApple Vision Proを活用できないか」というテーマの場合は、まずは仕事をしているときの息抜きとなるような体験を洗い出しました。その次に「Apple Vision Proで体験をリプレイスする」というテーマでアイディアを文章として書き出し、最終的にスライド1枚の企画書にまとめて各自投稿してもらうという形です。特に今回は「問い」と「制約」が複雑だったので、質の高いアイディアをたくさん集めるために事前にこのようなワークショップを開きました。

また、量をKPIにおいています。特にディレクターやプロデューサーの立場の人には5つ以上のアイディアを出すことをお願いしました。
そして、報酬についてもしっかり設定していて、今回は「XRデバイス購入補助10万円」を優勝者にプレゼントしました。

——アイディアソンの期間について教えてください
森本:最初のワークショップは5月の経営合宿のときです。その次に6月にアイディアを出し合う機会を設け、8月にアイディアソンを実施。最終的に9月末まで延長して、しっかりと時間をとりました。

Graffityにメンバーに聞く、アイディアを膨らませるコツや普段から意識していること

——アイディアソンに対して工夫したことを教えてください
高村:私は割とギリギリにアイディアを考え始めたのですが、作りたいアプリケーションのコア体験だけをタイトル一行分くらいメモして、リストアップしていきました。リストアップする段階では、思いついたらその都度ストックしていって、それを落とし込む段階で膨らませました。
私や井上さんは、Apple Vision Proを購入しているので、ARが常態化した未来について考える解像度が高かったのではないか思います。どうしたら自分がワクワクするか、どんなものが欲しいかを意識しつつ、より多くのアイディアを出せるようにしました。

井上:ゲーム系のアイディアが多いので、実現可能なラインを考えたり、ゲームとしてどう成立させるかを考えて提案しました。

——普段から意識していることや、アイディアを膨らませるときのコツはありますか?
高村:週に1回、社内の有志で集まって「こういうものにワクワクした」「こんな事例があった」ということを話す機会を設けています。必ずアウトプットにつなげることを意識しているわけではありませんが、結果的にプロジェクトに繋がるということがあります。例えばJT様と取り組んだ空間映像体験「Ploom Dive」などは、そのような機会がアウトプットに繋がった例です。

井上:思いついたときにメモをするようにしています。例えば、自分がフローチャートを作っているときに「画面が遠い」「これを3Dでやったら面白いんじゃないか」と思ったことをメモしておきます。それが今回は「3Dフローチャート」というアイディアに繋がりました。常に世の中に対して不満を持っているので、その不満と空間的な表現が合致しそうだと思ったら書き留めておいて、それを膨らませて企画に起こします。

——アイディアソンを通して気づいたことはありますか?
井上:数が質につながるということです。掃いて捨てるほどのアイディアを作っておけば、切り捨てる恐怖がなくなります。アイディアを出すのも楽になりますし、どんどん精査していくことができるので、より良いものが残ります。

——アイディアソンの改善点はありますか?
井上:人の企画を見たときに「自分だったらこうする」というのをコメントすることができたら良いですね。まさにGraffityのバリューである「ASOBI++(アソビプラス)」の考え方だと思います。

高村:他の参加者が出したアイディアや企画の意図について意見交換をする時間が欲しいです。出された企画数が多いので、企画書だけではわからない面白さを見落としてしまっていたり、企画者の着眼点や拘りが伝わっていない部分もあると思います。個々人が持つ拘りや熱意が重要だと考えているので、皆さんの話をもっと聞きたいですね。

アイディアを形にすることを意識。今後のアイディアソン・ハッカソンの実施について

——今後のアイディアソンの実施について教えてください
森本:新規事業として新しいアプリケーションの企画・開発のために実施しており、今後もその目的をブラさず実施できればと考えております。Apple Vision Proについては、今後は2025年6月に後継機が発表されると考えており、ユースケースもMacで仕事をするという体験を拡張することにフォーカスされると考えています。だからこそ、今回設定したテーマは非常に重要で、引き続きテーマに設定していく可能性が高いです。一方で、ほかの空間コンピューティングデバイスもリリースされていくので、
例えばMeta Quest3・3sについても新たなアイディアを出し合っていくと思います。

もちろんアイディアを出すだけで終わっては目的を達成できないので、形にすることがこれからやるべきところだと考えております。過去に実施したアイディアソン・ハッカソンからは、すでに3つプロダクト化をしております。

例えば、空間タイピングゲーム「Ninja Gaze Typing」や空間シューティングゲーム「Shuriken Survivor」はアイディアソン・ハッカソンから生まれました。アイディアソンやハッカソンは、どうしても企画を出して終わり、プロトタイプを作って終わりになってしまうケースが多いと思います。

しかしGraffityには、ちゃんと世の中に出していく仕組みや経営陣がコミットする気概があります。具体的には、経営陣がコミットメントして、意思決定からメンバーアサインを行い、スケジュールを引き、出来上がったプロトタイプに対してどう改善していくか、「アソビ」を足していくかを議論して改善していくというサイクルです。

このように、良いアイディアが生まれるための努力と、それを形にするための努力を続けているので、アイディアを形にすることを意識して今後のアイディアソン並びにハッカソンの企画を進めていきたいと思います。



Graffity株式会社は、「ARで、リアルを遊べ。」をミッションに、2017年に創業したARエンタメ企業です。これまでに、世界初の技術を使用したARシューティングバトル「ペチャバト」をリリースし、累計25万ダウンロードを突破、運用型ARシューティングバトル「Leap Trigger」を米国にリリースするなど、ARエンタメ業界の発展に寄与しています。

現在は、C向けのプロダクト企画・開発の知見を活かし、AR技術に特化した新規事業の企画・開発・運用改善まで支援するスタジオ「Graffity AR Studio」を運営しております。実績として、NTT コノキュー社と連携し、ARアプリ「LOST ANIMAL PLANET」の企画・開発・運用を行っています。2024年にApple Vision Pro向け空間ゲーム「Ninja Gaze Typing」、空間シューティングゲーム「Shuriken Survivor」の2作品リリースしております。

Apple Vision Pro向けにアプリをリリースされたい場合は、Apple Vision Pro向け空間アプリに特化した開発支援事業「Graffity Spatial Lab」も運営しておりますので、ぜひ気軽にお問合せください。


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