ARの業界年表【2021年8月版】
こんにちは、Graffityの森本です。普段私たちは「Leap Trigger」をはじめとするARシューティングゲームを開発しています。今回は、世界のAR業界年表に、2020年・2021年を追加したので、公開します。
2011年〜2020年のAR業界年表について
2020年3月に、ARの業界年表10年分を公開しております。
まだ記事を読んでいない方は、ぜひ一読いただければと思います。
簡単なサマリーは以下になります。
2012年に「Google Glass」が発表され、ARグラスに注目が集まったものの、2015年に開発終了となりARグラスはハイプサイクルの幻滅期を迎えます。一方で、2015年にSnapchatがフェイスフィルター機能を、2016年にNianticが「Pokémon GO」を、そして2017年にはAppleとGoogleがARKit/ARCoreをリリースしたことで、「モバイルAR」市場が発展しました。その後、2018年に「MagicLeap」、2019年に「Nreal」とARグラスが改めて市場に投入され、今後AppleのARグラスがリリースされれば改めてARグラスの市場が発展すると考えられます。
2020年・2021年まとめ
2020年は、FacebookがARグラスに本格参入することを発表し、ARグラスブームがさらに加速しました。Nianticは、No.1のARクラウドスタートアップ「6d.ai」を買収し、2021年にはARクラウドプラットフォームを公開しました。この流れから、ARクラウドの競争も激化していることがわかります。さらに、今年Niantic、Snap、GoogleがARグラスを発表し、加えてAppleもARグラス関連の特許を公開したことから、ARグラス市場が今後大きく拡大することを示唆するものになっています。
2020年・2021年の主要なニュースをまとめていきます。
2020 第二次ARグラスブーム② - Nreal発売、FB参入発表
2月 : Nreal、ARグラス「Nreal Light」の一般発売開始
3月 : Niantic、ARクラウド企業「6d.ai」を買収
9月 : Facebook、ARグラス参入を発表、2021年発売予定
2021 第二次ARグラスブーム ③ - Apple、Snap本格参入か
3月 : Microsoft、米軍に12万台のARヘッドセットを提供する最大220億ドルの契約を獲得
3月 : Niantic、開発中のARグラスを公開
3月 : Niantic、ピクミンを起用したアプリ開発発表
4月 : Magic Leap、「Magic Leap 2」を2021年末の発売を発表
5月 : Snap、次世代 Spectacles を発表
5月 : Snap、ARグラス企業「WaveOptics」を500億円で買収
5月 : Niantic、ARクラウドプラットフォーム 「Lightship」を発表、β版公開
7月 : Google、エンタープライズ向けの「Google Glass」発表
8月 : Apple、ARグラス関係の特許を複数公開
今後の予想
2021年8月までに、ARグラスのスタートアップであるNreal と Magic Leap だけでなく、Microsoft、Google、Facebook、Snapのような大企業も参入を発表しており、さらに「モバイルAR市場」を牽引するNianticもARグラスへ本格参入しはじめました。
Nreal、Magic Leap、Microsoft、Googleは2B向けのユースケースを、Facebook、Snap、Nianticは2C向けのユースケースを想定していると考えています。
もちろん皆さんが気になるのは「いつ2C向けのARグラス市場が拡大するのか?」だと論点だと思います。
2C向けのユースケースをより拡大するためには、ARグラスの低価格化・ワイヤレス化・ファッション性の向上・ユースケース作りが鍵になってきます。
Facebook、Snap、NianticのARグラスも非常に良いプロダクトになっておりますが、やはりAppleが発売するARグラスが、ARグラス市場拡大の鍵となるでしょう。
Appleは早くて2022年には発売するというリーク情報もあり、AppleのARグラスが発売されて以降、ARグラス市場が本格的に立ち上がると考えています。