【場末のアート分析】〜KYNE編〜
プロフィール
KYNE
1988年生まれで出身地は福岡県。シンプルな線画で描かれたアンニュイな女性のイラストは多数のフォロワーを産み出し、販売する作品は全て即完である。作風は江口寿史と比較されることも多いが本人は影響を否定している。(カーサ ブルータス2020年2月号のインタビューより)
代表作品
Untitled など
コメント
今や福岡どころか日本を代表する現代アーティストの1人と言っても過言ではないKYNE (キネ)です。キャッチーな作風であるためコマーシャル的にも使用し易く、アパレル(自信が所属するON AIRやCHARI&COとのコラボ)や化粧品など様々なところで見かける機会が多くなって来ました。ある種のバブル状態とも言えるかも知れませんが、まだまだ無双状態は続きそうです。
作品の価格推移
2017年のGALLERY TARGET開催の個展あたりからセカンダリマーケットでも高額な値段が付きはじめた印象がありますが、ここ1,2年での価格の伸びは爆発的です。
当然、人気の上昇はプライマリ価格にも反映され、確か2017年個展ではED50のシルクスクリーンが5万円程度だったかと記憶していますが、2020年に渋谷のMIYASHITA PARKで開催された個展ではED100のシルクスクリーンに27万5千円もの値段が付いていました。
とは言え、こちらも熾烈な抽選争いとなり販売後すぐに100万円を超える価格でフリマサイトに売りに出されていました。
同じ2020年の8月には、とうとうED100のキャンバスonシルクスクリーン作品にはプライマリでも39万6千円の値段が付く始末です。
この作品もフリマサイトでは100万円程度で取引されていますが、これ以上プライマリ価格が値上がりすることは流石にないのかな、と考えています。
投資対象として買いか?
プライマリ価格も上昇し、そうそう簡単には手が出せなくなって来ているKYNEの作品ですが、投資対象としては買いでしょうか?
個人的な結論としては、"買い"だと思います。
理由を説明します。
恐らくKYNEの人気は流石にここまでのバブルは続かないかも知れませんが、一過性のものではなく美術史に名を刻むほどのインパクトがあると考えているからです。アート作品が購入後も長く値上がりする条件として「発明品であること」と「インパクトがあること」が挙げられます。
例えば、アンディー・ウォーホルの作品はどこにでもある量産品を模しているだけのようにも見えますが、彼が大量消費文化を作品で象徴することが"発明"であり"インパクト"があったのです。
KYNEの作品には日本の今のある種アンダーグラウンドなカルチャーをポップに具現化したかのような強烈なインパクトがあります。それは単に絵が格好良いや女の子が可愛いなどだけでは表現し切れない"発明"なのだと捉えています。
これらの理由からアート史に残るKYNE作品がそうそう値下がりするとは考え難いです。
ただし今後、転売対策などでこれ以上にプライマリ価格が値上がりした場合には購入には注意が必要だと思います。
最後に
最後まで読んで下さりありがとうございます。これで今回の記事はおしまいです。スキやコメントを頂けると今後の励みになります!