生後4ヶ月のキジトラ猫姉妹を拾った(15)
大きな手術のために狭い小動物用ケージで逃げ場もなく毎日毎日人に触られたプーアルと、広いケージのなかで逃げ回って隠れて暮らすチチ、うちに来てそろそろ2ヶ月になりますが二人の人慣れは天と地ほどの差がつきました。
トイレの神様改め、祠の猫様
こちら、里親募集中のチチ。
お母さんのいいつけをしっかりと守って、警戒心を解きません。
家の中での暮らしもとい檻の暮らしには慣れてきたので、お水を飲んだり、ご飯を食べたり、見られてないのを確認してケージの中で遊んだりはできるけど、人とコミュニケーションが…できないのです。
それでもしろくま柄のかまくらが落ち着く場所になったようで、その中に羽付き棒を入れると少し反応して遊んでくれたり、最近では身を乗り出し気味で遊ぶこともでてきました。
始めの頃なんて全く反応せず「一体これの何が面白いというのだ貴様」くらいの無表情で固まられたものです。(ビルス様かフリーザのごとくですよ)
それが羽の動きに合わせて目をチラチラ、顔を左右にフリフリ、片手を伸ばしてパシッ!
これもチチにとって大きな一歩。
羽に噛み付いたり、手で抑えたり、猫らしい機敏な動きをかまくらの中で上半身だけ起こして遊んでくれます。ツメがのびのびなので、時々かまくらの中で引っかかってマヌケな姿も見られますよ(笑)
まぁ4ヶ月まで野良だったしね、プーアルより出てこない子だったしね、しょうがないよね。上出来、上出来ってチチだけ見てると納得できるのですが、対象的なプーアルがこちら。
プーはもっとご飯が食べたい!
退院して順調な経過をたどっているプーアルは、ごはんの時間とおやつを覚えました。人が何かを食べていると、「にゃ~~~(プーも食べる)」と騒ぎ、ケージの扉を開ければ鼻を寄せてきて頭を撫でてもらうために擦り寄せます。
そして喉をゴロゴロゴロゴロ。
ゴロゴロご機嫌なときなら、ちょっとお腹見せてねと足を持ち上げても怒りません。抱っこもできます。
お腹のケアのときは嫌なんだけど、声は怒っていても猫パンチに「手加減」が加わりました。爪を出さずに腕を叩いてイヤイヤ。おっ。。。!
そして術前のシャンプーは噛みつかれながらの大乱闘だったのに、2回目のシャンプーは嫌がって鳴くものの許容範囲内な乱闘で済んだし、慣れてきたなという確信が持てます。
あんなに食べなかったくせに、別猫のような食欲なので、プーアルは食欲を上手に使えばいろんなことに慣らすことができはじめました。
抱っこできたらおやつ、シャンプーできたらおやつ、お腹拭けたらおやつ。手からおやつを食べられるし、指先をなめて水も飲める。
抱っこができたなと思ったら自分から近寄ってきたり、1日1日すごいスピードでプーアルが人を信頼して心を開いて、ドキドキとワクワクがとまりません。
「プーちゃん」と呼べば、「にゃっ」と返事もするし、「おやつ食べる?」と聞くと「にゃ~~~!!」と良い返事をするし、意思疎通までできます!(できる気になってるとも言う)
↓2人並んでお水タイム
チチとプーアル、感動の再会?
これはプーアルが初めてケージから出る!と主張して出られるようにした日のもの。チチのケージの横に行って、チチもかまくらから降りてきて2人でちょい、ちょいと体に触れ合ってました。そのかわいらしい姿に涙出ました(´;ω;`)
プー「ねーたん、プーげんきになったよ」
チチ「どっか痛かったの?大丈夫?だいじょうぶ?人間はこわいよ気をつけるのよ」
本当は、お部屋の中で遊びたいチチ。
チチは家に来た3日目から、ご飯のときのフリータイムをウキウキと過ごしていたのに、リビングに移動してからはもうずっと狭いケージの中で野良猫として私達と戦っています。
プーアルは昼間は微動だにせず寝る子でしたが、一度外に出てきてからは毎日開けろ~~~!と騒いでちょっとずつリビングを探検するようになってきました。
でもちょっと散歩して気が済んだら安心するケージに戻っていきます。少しずつリビングを探索して、行動範囲を広げているからまだまだこれからかな?感はありますが、欲する運動量は圧倒的にチチのほうが多いです。
チチのこと、もっともっと触りまくってればよかったなぁ…って寝ぼけたため息をこぼしている場合ではないわ!今日からでも無理やりにでもチチに触れればいいのよ!と意気込んで洗濯ネットに入れて捕獲を試みたら、洗濯ネットをぶち破って逃げられました(・_・;)
おかげで?つかの間のチチフリータイム。
暗視カメラで様子を見ていたら、久しぶりに楽しそうなチチの姿を見られました。なんて愛おしい。
外猫には戻れない、戻さない
どんなに野良猫本能むき出しでも、チチを外猫に戻すことは絶対にしません。この子にTNRはナシです。
先日、東京三鷹市で残酷な猫虐待殺害事件がありました。地域猫として餌やりさんに可愛がられていた猫が、どんなサイコパスの思考でこんなことができるんだという酷い殺され方をしたのです。
そういった虐待死はごく少ない症例なのかもしれないけど、可能性が0ではない場所に放つなんて…。寒いお外で丸まって耐え忍んでいるかもしれないチチを思うだけで恐ろしい。
プーアルの白血病で一緒に飼育ができなくなってしまって、それは私達の勝手な事情。新しい家が見つかるまでずっとケージ暮らしを強いてしまうかもしれないけど、チチは絶対家猫になってもらいたいです。
本当は未だに外をウロウロしている3匹の親猫たちにもずっとのお家を見つけられたらと思うのですが、現実はそう簡単にも行かず、わたしが面倒を見れるのはこの2匹までです。
どうかむやみに人に姿を見せないで、どうか人が置いたご飯を信用しないで、過酷なお外暮らしを生き延びてほしいと願わずにはいられません。
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