菜の花畑にたたずんで

突き刺すように凍てついた風の中、
ちりばめられた光の粒子が春の訪れを告げる。

いつか君と来たことのある
この菜の花畑の丘にたたずんで....。

時が満ちれば君の大好きだったあの歌を
とびっきり上手に唄ってみせよう。

君がぼくのそばにいた時の鼓動のリズムに合わせて、
誰も真似が出来ないくらい上手に歌って見せよう。

あらがう事の出来ないこの現実をそのまま受け入れられるとき、
君はきっとこの菜の花畑の丘の上で、
ぼくのとびっきりの唄に合わせて、
誰もが真似をしたくなるほど美しく踊ってくれるでしょう。

季節はめぐる。

ぼくは君の鼓動のリズムに合わせて少しずつ、
少しずつ、ゆっくりと、少しずつ、
　”今”　を積み上げていく。

研ぎ澄まされた青空の下、
黄金色にたなびく菜の花畑の丘にたたずむ君が微笑む。