梅雨空の港にて…。 (ZeppTourで逢いましょう 2024)
Now&Here #33
2024年6月30日(日曜日)
佐野元春&The Coyote Band
at KT Zepp Yokohama
初夏といえば
聞こえはいいけど空はどんよりとして
降ったりやんだりのにわか雨
お天気がよければ自転車で
行きたいところですが、
いつもの京浜急行で横浜駅まで。
東口の地下街を通り抜けて
大昔に地味なスカイビルがあった
あたりの日産自動車ショウルームを
指を咥えて眺めて過ぎるともう少しで
KT Zepp Yokohama
Sweet16 名盤LIVE以来かな?
オマケのビールを片手に客席内を
ブラブラしながら開演前に流れる
音楽に揺れていました。
英国、米国のキリッとしたロック!
(主に英国)
エルビス コステロ、プリテンダーズ
クラッシュ、ザ ビート、
ラモーンズ、ブロンディ、
エコー&ザ バニーマン、
XTC、トーキング•ヘッズ、
そして、スクィーズ
はじまってしまう前の
ワクワクする心をググッと
ウォーミングアップしてくれる。
開演の定時を少しだけ過ぎると
客電が落ちズッシリとした
ギターリフが会場を包み込む。
ブルース味を帯びた
フォークロックで幕を開けた。
35周年でも魅せてくれたアレンジ
これも古い曲の再定義
2本のギターを活かしたコヨーテバンド
ならではのサウンドだと思います。
「君に逢えそうな気がする」
「君と行く」
続く再定義の真新しいサウンドの中
80年代に鳴り響いた音がこだまする
「君がいない」
「君のドア」
90年代の重要なアルバム
「The Circle」から
新たな装束をまとったサウンド
狂気と正気に揺れてたゆたう
クールなグルーヴ
天使がゆっくりと舞い降りて
来るかのようなギターのリフ
絶妙なブレイク
「君が欲しい」「君を撃ちたい」
現在のこの社会の空気をなぞる
「この風向きは君次第」
履き慣れたスニーカーの紐を
固く結び直す
荒野を駆け巡るコヨーテバンドは
高度な技術と高みを目指す
お互いの信頼に基づく驚異の
アンサンブルで今ここに集う
観客たちの危うげな魂に
優しく激しく火を灯す。
言葉の中に旋律が宿り
旋律の中で言葉が覚醒する
エレクトリックギターのピックアップと
アンプリファイア
向かい合い清濁併せて呑む
魂のノイズが歪む音に紛れる
アンコールのロックチューン!!
ぶち上がる魂は雨に煙る港を覆う
雨雲を突き抜けてクリアな
夜空へと舞い上がっていった。
帰り道
この夜のサウンドの余韻におぼれそうな
ぼくは、いつもの中華屋さんで
生ビールとレバニラ炒めを
ほお張りながら
来年は結成20周年のコヨーテバンドと
デビュー45年の佐野元春に
なんとかついて来られた自分と
まだ出会えていない
よりよい明日のために
こっそりと乾杯しました。