「アーニャは、アーニャ」 匿名でありつづけるということ

 こんにちは、あるいは、こんばんは。
 文系大学院生のアーニャます。
 
 今回は、なぜ「アーニャがアーニャであり続けるのか」、つまり、「匿名でありつづけるのか」ということについて、私なりの考えを書いておきたいと思います。



・「アーニャはアーニャ」

 「文系大学院生のアーニャbot」というツイッターアカウントは、2022年6月に開設されました。
 これ以来、さまざまな活動をさせていただきました。
 もちろん、「ツイッター上でのつぶやき」が第一です。
 もとは、「文系大学院生のあるある」ネタをつぶやくためのアカウントとしてスタートしたアカウントです。※詳しくは別の記事を参照してください。

 

・「マシュマロ」の開設

 アカウントを作成した当初から、「大学院進学への相談、質問」や「大学院での生活の相談」がDM(ダイレクトメッセージ)に届くようになりました。
 もちろん、そうした質問や悩みは人それぞれです。
 人それぞれが、置かれた環境も、目指す理想や頑張りたい研究内容も、全く違います。卒論、就活、大学院入試、経済事情や、家族・大学での人間関係といった話題まで、本当にそれぞれの事情と深く関わった話題が多く、一つ一つに返信させていただきました。

 ただ、ダイレクトメッセージはツイッターのアカウントが、こちら(受信者・アーニャ)に見えてしまいます。そうしたプライバシーを気にされる方もいるのかもしれないと考えました。
 そこで、ツイッター上を見渡すと、「匿名で質問を受け付けるサービス」を利用する方が多くおられました。そこで開設したのが、「マシュマロ」という質問募集サービスでした。
 

マシュマロの質問投稿フォーム(自分では自分に質問できない仕様になっている)

 私自身、いつ開設したのかを覚えていませんでした。今回、ツイートを遡ってみたところ、以下のツイートからでした。

 ツイッターアカウント作成から1ヶ月くらいで、マシュマロも開設していたようです。
 この「マシュマロ」という質問募集サービスは、質問者が全くの匿名です。私の側からは、その質問を送ってくださっている方の名前も、属性も、もちろんツイッターアカウントも何もわかりません。

 このマシュマロの質問に回答をすると、自動的にそのままツイッターにツイートできる仕組みがあるようで、現在「文系大学院生のアーニャbot」のツイートの多くは、このマシュマロへの回答ツイートに費やされています。

 このツイートにあたって「#マシュマロを投げ合おう」というハッシュタグが自動的にツイートに付されるようです。このハッシュタグが付されたツイートのみに絞って計測してみると、質問への回答数は「978」件(2024年12月23日現在)ありました。

・リアルのイベントへ

 「文系大学院生のアーニャbot」は、2022年の12月ごろには1000を超えるフォロワーの方にツイートを見ていただくようになりました。(2024年現在、4300フォロワー)
 そうしたツイートをご覧になってくださっていた、「学問バーkisi」(東京都・新宿区)の方から、イベントのお声がけをいただくことになりました。

 「学問バー」は、各分野の研究者や大学院生が1日バーテンダーとして、イベントを開催するバー。
 そこで、文系大学院生の交流の場、大学院進学相談の場としてイベントを開催することができました。
 この第1回(2023年4月2日)に引き続いて、第2回(同7月14日)第3回(同11月23日)。さらに、「学術バーQ」(東京都・台東区)に場所をうつして第4回(2024年6月15日)と開催させていただきました。
 また番外編として、「学問バーkisi 京都店」(京都府京都市)でもイベントを開催しました(2024年7月26日)

 それだけではなくて、Vtuber「ゾンビ先生」からお声がけをいただいて、ユーチューブ配信にお邪魔したこともあります。


 これら、いずれのお声がけも「マシュマロへの回答を通して、大学院進学希望者や、大学院生の質問に回答していた」ことに注目してもらったことが理由でした。
 私の個人的な発信が理由ではなく、質問や疑問、お悩みを寄せてくださった方々のおかげさまです。


・匿名でありつづけること

 さて、ここから本題です。
 私(アーニャ)が登壇する、リアルのイベントでお会いした皆さんには、「注意事項」として、このように説明しています。

第1回学問バーイベントで掲示したパワポスライド

①アーニャはアーニャ
※お店で知った「アーニャ情報」(大学名・氏名・研究テーマその他)はネットなどへの書き込みはお控えください

 まず、「文系大学院生のアーニャbot」は「博士課程の大学院生」であることや、私の過去のnote記事に書いたように「歴史学などを専攻している」といったこと以外、大学名も研究テーマも、個人を特定されそうな内容は公開していません
 もちろん、リアルイベントに参加していただけると、「アーニャ」がそこにいますから、その性別、年齢などはすぐにわかります。もちろん、私自身も「何者なのか」という自己紹介をしますから、所属大学名や具体的な研究内容もわかりますし、場合によっては名刺をお渡しすることもあります

 ただし、リアルイベントで知った「アーニャに関する情報」は、ネット上に書き込んだり、広めたりせずに、ここだけの秘密にしてくださいねとお伝えしています。

 その理由は、いくつかあります。
 当初はもちろん「身バレ」、つまり、身元がバレてしまうことで学生生活やその他に影響が及ぶことを避けたいという思いでした。
 ただ、こうしたリアルイベントが何度か続くたびに、より重要なことがわかってきました。

  それは、「属性がわからない」ことで、かえって質問しやすくなっているのではないか?ということ。

 「アーニャなる、怪しげな存在」に質問を送ってみようと思ってもらえること。
 「アーニャだから、送れる」と思ってもらえることもあるのかもしれません。

 いただいたご質問のなかには、大学院入試の仕組み、研究計画書の書き方や、レポートや卒論の書き方といった基礎的なご質問もたまに見受けられます。もちろん、人間関係のお悩みや、課題や試験に追われる中での苦しさを吐露してくれる内容もあります。

 もしかして、指導教員や大学教員に質問したら「そんなことも知らないのか」と怒られたり、恥ずかしい思いをするかもしれない。
 大学で相談したり、顔や名前を知られている間に相談すると、変に通報されて実際の人間関係に影響が出てしまうかもしれない。
 ただ、愚痴を聞いてくれる人がいるだけで良い。

 おそらく、アーニャにマシュマロ(匿名質問)を送ってくださる方々には、それぞれの立場や置かれた環境があるはずです。
 
 もし、「○○大学大学院生の山田太郎(男・28歳)です!質問受け付けます!」と質問募集をしたら、これだけたくさんのお悩みや質問を送ってくださらないのではないかとも思います。

 それは、回答者が「男性なのか、女性なのか」「東京の大学なのか、関西や九州なのか」「専門分野はこれ」「こうした論文を書いて業績をあげていて」等々が開示されてゆくと、無意識のうちに「自分とは違うから‥」とかえって敬遠されてしまうのではないか、と思っています。

 「自分とは違う分野の人だから…」と遠慮したり、「すごい年上で、業績ある人だ」気を使ったり、質問しても意味ないかもしれないな…と思うかもしれません。

 私(アーニャ)はそうした形で、マシュマロ(匿名質問)やDM(ダイレクトメッセージ)を送るハードルをつくりたくないと考えています。

 つまり、私が「匿名であり続ける理由」は、「気軽に話しかけてもらえる存在でありつづけたいから」なのです。
 私が、「アーニャはアーニャ」、「アーニャ情報は、公開しないで!」とみなさんにお願いする理由です。

・これから姿勢について

 たくさんの方から質問やお悩みを送っていただけること。
 それは、私によるものでは一切なく、ひとえに皆様のおかげです。
「なんかわかんないけど、こいつに送ってみようか」と思ってもらえていることほど、ありがたいことはありません。

 私はこれからも、これまでも、どんな言葉でも悩みや疑問や、愚痴や苦しみでも、なんだって送ってもらえる存在であり続けたいと思っています。
 「こんな質問するな」、「こんなこと、教授に聞け!」なんて怒ることは、絶対にありません。
 「教授に聞く」って、すごく緊張するし怖いってことは、アーニャ自身がすごく体験してきたこと。

 「こんな簡単なこと聞いていいのかな?」と思うような質問でも、お悩みでも、苦しい状況や悲しい思いを愚痴にして吐き出してもらっても構わないのです。誰だって、なんだって、マシュマロに投げ込んで欲しいと思っています。


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文系大学院生のアーニャbot
アーニャにはチップ送らなくて大丈夫ます。 美味しいものを食べて、ゆっくりする時間に使ってください。