人との出会いから生まれる化学反応。
みなかみ町での滞在も6日目となり、自分なりに関わりを増やせた気がしているが、これを今後どのようにして行くのかが自分のこれからの課題なんだろうなとふと感じた。
そんなみなかみ町での6日目は以前からお会いしたかった写真家でUターンでみなかみ町に戻って実家の家業を継ぎながら活動している佐川航大さんの写真展へ。
きっかけは、ほとりに初日に行った際にタミーさんから紹介された写真に一目惚れしたからだ。結構色んな写真が飾ってあって、全てがみなかみ町での撮影とのこと。その中で目に留まったのが手と手を切り取った写真で後から聞いたのだが、ガイドさんが誰かにモノを渡す瞬間を切り取ったのだと。
自分が今個人で使っている屋号がCWiPというのだが、これは人と人を繋ぐという意味のConnect With Peopleから来ていて人を繋ぐ上で手というワードが大事だと思っている。だからこそ目に留まったというのが理由である。
タミーさん曰く、佐川さんは人を撮るのが上手い!!とのことで確かに何枚か人物を撮った写真を見たところかなり自然体で撮れている印象があった。
それから、みなかみ町は水も豊富にあるようで川が非常に綺麗でその雫が跳ねる瞬間を切り取った写真なども感動モノでした。
だからこそ直接どんな人物なのかと気になっていた。
ただ、写真展に行くのにもタミーさんの車で移動をお願いするしかないのでタミーさんの都合に合わせることになり、写真展には夕方くらいに行くことにしてそれまでは何をしようか悩んだ結果、洗濯物が溜まっていたので少し距離はあるがコインランドリーへ行こうと思い、荷物をまとめていざコインランドリーへ。
徒歩で約30分ほど歩いたところにあるコインランドリーは意外なほど利用者が多く、ただほとんどの人が車で来て洗濯物を回している間はどこかへ行ってしまうので入れ替わりはあるけれどずっと待っていたのは自分だけだった。
ちなみに、自分は人間観察がかなり好きなのだがコインランドリーもまた観察のしがいがある場所だと気づいた。多分一日中いても飽きないのではないかと思うくらいで、これがまた都内のコインランドリーだと雰囲気も違っていて客層も違うのかもしれない。
なんだかんだと2時間近くをコインランドリーで過ごし、お昼も近くなっていたので水上駅の方へと歩いて行き、通り過ぎたところにある『Walk On Water』というブックカフェへと向かった。ここのカフェも同じ群馬県内で移住してきた方がご夫婦でやっていて、ご主人が山好きということで山関連の書籍も多数あったり、ご自身が登山している写真なども展示してありかなり居心地の良いカフェでした。しかも、偏見かもしれないけれど食事メニューもおにぎりがメインのfutamimi(ふたみみ)と多国籍メニューがいただける旅する台所と曜日によって分かれている。
自分が訪れた時はご夫婦がやっているfutamimiさんの方でおにぎりのセットをいただきました。ちなみに、こちらのセットの場合はおにぎりを2種類とお味噌汁とおはぎがついてきてなんと1000円!!
おはぎは人気らしく、テイクアウトで勝って行く人も多いようでした。
ちょうどソファー席が空いたのでそちらに移動をし、提供されたおにぎりセットをいただきながらこの空間を満喫。
だが、本来の目的を忘れてはいけないと思い、ご主人に話しかけると気さくな方で色々と話をしてくれた。でもどちらかというと途中から奥さんの方が色々と聞いてくれて結局2時間近くも居座ってしまいました笑。
手土産にと可愛いタンブラーを購入してほとりへと向かったのでした。
ほとりに着いたのが15時半くらいでタミーさんはまだ仕事をしていたのですが、自分がたくみの里を少し見てみたいと伝えたところ17時にはほとんどのお店が閉まってしまうのでそれならばと腰を上げてくれてたくみの里へと向かいました。
30分ほどかかるのですが、以前走った時は雪が降ったばかりでかなり慎重に走って行ったのですが、今回はすっかり雪もなくなり見えていた景色もまた変わっていてそれはそれでなかなか良いもんだなぁーと助手席に乗りながら窓からの景色を堪能してました。
途中、廃校になった学校をキャンプ施設として活用しているというところの前を通り過ぎた時にその学校の外観があまりにもカッコ良すぎて少しばかり立ち寄りたかったのだが時間が迫っていたので横目で見るだけで終わってしまったので次回訪れた時には行ってみたい候補の一つになりました。
その場所からはさほど時間はかからずにたくみの里へと到着!!
タミーさんも道の駅も併設しているのでそこで野菜を買いたいとのことで一緒に道の駅へ。
夕方の時間帯でもそれなりにお客さんはいて、野菜も数こそ減ってはいたけれどまだ売っていてタミーさんはお目当ての野菜を購入して、自分は結局何も買わずに見るだけになってしまったけれど値段はかなりスーパーで買うよりも安い印象でした。
続いて向かったのが、移住者で尚且つご夫婦で起業をされている人のお店へと向かったのですが、最初はもう閉店してしまったのかと恐る恐る覗いてみるとカウンターに人の姿が見えたのでいざ店内へ。
『Licca-アロマ蒸留工房』名前もおしゃれなのですが、店内もまたシンプルな作りながら蒸留しているところも見れるといういう1度で2度楽しめる感覚があり、店内も木の香りが広がっていてそれこそ実家が大工をしていたので木を切ったり、削ったりしていたので懐かしさが感じられました。
オーナーの男性とタミーさんは顔見知りらしく二人が話している間に自分は店内を見て回った。ある程度話を終えたのかタミーさんは先に写真展の会場へと行くというのでその場で別れて、自分は今度はオーナーさんと色々と話をしながら商品の説明などを聞き、またこの場所でお店を始めるきっかけや移住してきたきっかけなどを聞けてとても有意義な時間を過ごせた。アロマのセットと3種類の香りが楽しめるミストを購入してお店を後にした。
約束をしている19時までに会場へ行くといったもののまだ時間はあったので、とりあえず町を歩いてみてみようと思い目的もなく歩き気になった建物をスマホで撮影をしていると流石に観光客然としてはいるものの一人で歩きながらの撮影は住民の方からしてみたら不審者に見られそうで若干視線が怖かったのですが、それでも気になる好奇心には勝てず撮りまくっていました。
ちなみにたまたまなのか飛行機が飛び交っていて夕方の空に綺麗に飛行機雲が何本も伸びていてそれがまたクロスしたりして絵になる風景でした。
たくみの里自体は景観を残すためにあまり大きくは弄れないとのことですが、空き家が出るとすぐに埋まるみなかみ町の中でもかなりレアな土地だとのことで、自分自身で歩いてみた感じでもそれは納得の世界観がある場所でした。ただ、デメリットもあり17時にはほとんどの店が閉店してしまうため町自体が急に静かになってしまう感じは勿体無いとも思いました。でもこの感覚自体が東京との比較だからそう感じてしまうのかもしれないなと改めて常に比較の対象に東京を選んでしまっていたんだと少し反省をした。
待ち合わせの時間まではまだ時間はあったものの、歩いていくことを考えるとどうしても逆算して行動しなきゃという癖もあり、ナビでどのくらいかかるの調べてみると約20分。現在の時刻は17時50分。うーん、まだ余裕があるのでせっかくここも温泉が出る土地なので一応温泉には入るだろうと準備をしてきたのでまたまた検索してみたところ18時までしかやっていないところばかりで残念ながら断念。そうなったらもう町中を歩き回るしかないだろうと、だけどコンビニもないスーパーもないので何か飲み物でも買っておけばと思ったもののもうすでに坂道を下っていたのでそこはまたまた諦めて仕方なく目的地方面へ。
ナビで調べてみるとどうやら銭湯みたいなものも存在してそうでとりあえずそこへ向かってみることに。だが、実際に現場に行ってみると情報に頼りすぎはいけないなと改めて実感させられた。なぜかと言うと、そこには張り紙があってコロナの影響で一時期住民以外の利用を禁止していたのがコロナが落ち着いてきたこの現在でさえも状況が変わってないと言うことだった。まぁ明かりは点いていたので住民の利用はあるのかとホッとしてはみたものの入る気満々で来たのに入れないと言うのはいささか凹むものなんです😭。
まぁこれも自分の情報収集能力が低いのだと言い聞かせて、それでとりあえずコンビニはどこにあるのか調べたところセブンイレブンとローソンがあるが両方とも徒歩だと40〜50分の距離にある。行って帰ってきて1時間越えは明らかに待ち合わせの時間にオーバーする。それだけは失礼に値するだろうと諦めざる得なくてもう八方塞がりの状況で唯一光が見えたのが和菓子屋さんで生どら焼きを売っているとのことで気になっていたのでここは藁にもすがる思いでその和菓子屋さんへ。距離的にもちょうどいい感じの時間潰しにもなるので向かってみると結構な老舗感が漂っていて、実際に入ってみると店の中には商品の和菓子以外にも何やら骨董品っぽいものも点在していた。
『大阪屋菓子店』オススメは真田栗むしまんじゅう、酒まんじゅう、生どら焼きでどら焼きに関しては8種類くらいあって今回はコーヒーを買ってみた。どら焼きなので中には餡子が入っているのだが、この餡子がなぜかコーヒーの風味がして意外にも美味かった。それと水を買おうとしたのだが、なぜかお茶と炭酸水とコーラとかで水がない!!!
でも、地方へ行くと改めて思うのが水を買う習慣ってあまりないんだなぁーと。それはそれでいいことなんだろうけど、やっぱりそこでも東京とつい比較している自分がいることに気付かされる。仕方なく、炭酸水を買ってそれを飲みながら生どら焼きを食べるw。でも、悪くない組み合わせだった気がする。さて、それを食べながら目的地の湯宿温泉にある『Plants&Coffee ね』へ。元々地域おこし協力隊としてみなかみ町に来て、地域の空き家の情報管理などをしていたという。
現在はおしゃれなカフェをご夫婦でやっていて、建物もご自身でリノベしたということで色々と興味深いのだが今回の主役は佐川航大の写真展なのでとりあえずは主役にお会いしたいと思い店内へ。入り口は大通り側ではなく細い路地を抜けていくと看板があるのだがこれがまたいい雰囲気で自分好みでしたw。中に入ると至る所に植物が飾ってあり、ここは何屋さん?と首を傾げてしまいそうになるが実はきちんと食事のメニューもあり、タミーさんから担々麺がおすすめと聞いていたのでそれを注文しようかと思ったのだが、まずはタミーさんがいるかどうかを確認したかったので一旦2階
のスペースへ。また、この2階のスペースがいい感じの梁が剥き出しでそれを漆喰を塗った壁と相まって居心地のいい空間を作っていた。タミーさんは2階に上がってすぐのソファでくつろぎながら仕事をしていて、自分に気づくとお疲れ様と一言いって自分の隣の席を譲ってくれたのだが、温泉には結局行けた?と聞いてきたので経緯を話すとすぐさま店主にも確認してくれて『湯宿温泉太陽館』ならまだやっているとのことですぐさま向かうと宿自体はお客さんで一杯らしくソファで寛いでいた女将さんに声をかけて料金を支払うと奥にある男湯へ。
先客がいたけれどその人と自分だけだったのでほぼ貸切状態で身体を洗い流してから湯に浸かるとまた同じみなかみ町内でも少し泉質が違うようで湯宿の泉質は熱めで入ったり、出たりを何度か繰り返すくらいがちょうどいい感じでした。みなかみ町に来て、ほとりには入浴をする場所がないから毎日どこかしらの温泉や銭湯に入っているとどれだけ自宅ではシャワーで済ませている生活が味気ないものなんだと気付かされた。
湯冷めしないように早足で『Plants&Coffee ね』に戻り、担々麺とアイスコーヒーを注文し2階へ上がる。
タミーさんはいつの間にかカウンターで知り合いの女性と隣り合わせで座っていて自分に気づくと自由にどうぞといってくれたので一旦ソファー席に腰を落ち着かせた。少ししてから担々麺が届き、それを食べながらタミーさん達と話していると今回の写真展の主役の佐川さんが登場して少しばかり話をしているとカフェの店主のテジマさんもやってきて、今回自分が何をしにみなかみ町に来たのかを話した。
その中で自分たちの事業を話したときに、空き家の賃貸問題に点いてどうしているのかと問われた。ご本人もデザインなどを生業にしながら、湯宿地区の空き家の把握をする活動をしているの興味を持ってくれた。ただ、やはりどこでも同じような問題は抱えており、奥多摩で嵌るものがみなかみ町でもちゃんと嵌るかどうかは実際にきちんと地域を知らなければならない。それがこれからの自分たちの仕事の一つにもなるし、地方の方々との関わりしろを深めていく必要性も改めて実感させられた貴重な時間でした。
話は一旦中断し、その間にお二人も道を挟んだ反対側に出ているキッチンカーで食べ物を買いに行ってくるといって下に降りていってしまった。
そうこうしているうちに下の方から何やら賑やかな声が聞こえてきて10名近くの団体さんが2階へと上がってきた。初めは小さな女の子とお母さんとその友人らしき人が上がってきて、つい子供好きの自分としては挨拶をしないわけにはいかないと思い挨拶をしてみるが人見知りなのかなかなかこちらを見てくれない😭。でも、お母さんが声をかけてくれてなんとか挨拶はできたもののなかなか見慣れないおじさんは怖いようで懐くまでに時間はかかりましたw。その後に多分ご家族と思われる男性陣も上がってきて忽ち賑やかな空間に。佐川さん自体も上がってきて挨拶を交わしているとその中の男性と実は同じ大学の先輩後輩だったということが判明!!
本当に偶然だったらしく、2人はその話で盛り上がっていて正直もう少し話をしたかったがタミーさん達も切り上げ時かと感じだらしくカフェを後にした。友人の女性も旦那さんと来ていたのだが別件があるとのことで先に帰ってしまったのでタミーさんの車に3人で乗り込みいざ帰路へ。
知人の女性とはほとんど話したことがなかったので車内での短い時間で色々と話をして盛り上がっている最中に知人の自宅へと到着してしまい、またみなかみ町に来た時にと挨拶を交わして別れた。
タミーさんと二人きりになり、ほとりに向かう車内で残すところ明日1日となりみなかみ町に来てどう感じたのかを少し話した。正直なところ群馬で温泉地というとどちらかというと草津、伊香保、みなかみの順番になっていたなぁーと。確かにそれは事実かもしれないけど、やはり地方は足を運んで実感して初めて知ることができるのだと思った。それはなぜかというと、色んな人が色んな感情を持っているように人に抱く思いや地域に抱く思いは様々で人それぞれ違って当たり前だし、だけど自分の足を使って人に会いに行ってその土地に触れることで知れることがたくさんあって、だからこそそれを上手に活用して貢献できたらいいなぁと思えた。まだまだみなかみ町自体は可能性のある町だと感じれたし、『巡や』を展開できるかもしれない物件との出会いもあったし、何よりFLAPやタミーさん経由で知り合えた人たちとのご縁を今後も大事にしたいと思った。
それ以外でもタミーさんからはコーチングを受けたのだが、タミーさん曰くコーチングというよりは自分がなぜ今こういう活動をするに至ったのかや生い立ちなどを話したことによってだいぶ相互の理解を深めることができたのがもしかしたら一番の収穫だったのではないかと。
長いようで短い1週間の滞在でしたが、翌日はFLAPのスタッフのモトイさんがほとりから駅まで車で送っていってくれるということでここでも同じく車内でみなかみ町の可能性の話をした。どの地方でもそうだけど、人口が減っていくのはもう止められないのかもしれない。でも、それでもどうやって地方の魅力をみんなに知ってもらうための努力はし続けなければならないのだと改めて考えさせられた1週間だったと話した。
新幹線で東京駅から1時間ちょいで来れてしまう場所。
みなかみ町は、温かい人の魅力と可能性がまだまだ秘められた場所でした。
また別の季節に来ると違った顔を見せてくれるのかもしれないなと楽しみと期待を添えて今回はさよならは言わずに東京へと戻ってきました。