お彼岸に怪談
その日は開校記念日、学校はお休み
とある姉妹の両親は関係無くいつも通りお仕事、普段遊んでいる友達は親とお出かけ、
家に居ても姉妹で過ごす事になるため誰か遊びに来てないかなと学校へ行く事にしました
休みの学校はいつもと違う雰囲気
平日の昼間なのに重たい雲りの日だったため夜の様に辺りは暗く、いつもと違って全く人気がありませんでした
いつも通っている場所なのに全然違う所に来たみたい
この学校にも様々な噂話や怪談があります「トイレの花子さん」「動く人体模型」「異世界への13階段」、、、
姉妹はなんか怖いかもと感じつつも、誰も相手にしてくれない不満もあって、非日常感、冒険心、にワクワクしてきました
学校のどの部屋にも電気はついていません、2人はいつもの様に昇降口へ向かいました、中は薄暗く非常口を示す緑色が明るく感じます
中に入れないかな?2人は扉を確認してみます、するといつもは開いていない1番端の扉だけ鍵がかかっていませんでした
どーしよう、入れちゃう、悪い事をしてる、でも好奇心が背中を押します
扉を開けると、トンっ、と後ろから押される様な感覚
姉は驚いて「急に押さないでよ」妹は「押してないよ、でもなんか私も何かに押された様な気がしたけど、、」姉が振り返ってみると入ってきた扉から風が吹き込んできます、、、ただの風?
気をとりなおして2人は自分達の教室へ向かってみる事にしました
先ずは妹の教室、姉は妹の机を見て「散らかし過ぎじゃない?」妹の机の中は紙の切れ端や消しゴムのカスが入っていて机の上も鉛筆か削れた溝か複数の線が目につきました
「綺麗にしてあげる」姉は要らない物をゴミ箱へ捨て、周りが綺麗になるとやっぱり机の線も気になるな、と考えました
その辺に落ちていた鉛筆を見つけ「私は絵が得意だから机の上も綺麗な見た目に変えてあげる」姉は1番目立つ線にさささっと細かい物を書き加え絵にしました
「お姉ちゃんの教室にも行ってみたい」妹に言われ次は姉の教室へ向かいました、教室についてすぐに姉の机はわかりました、姉の机の上も物が散乱しています
姉はバツが悪く、自分の机も綺麗に整理しました
「もういいでしょ、別な所行こ」姉は教室を先に出ました、妹は、お姉ちゃんに自分の机を綺麗にしてもらったお礼にといつも持ち歩いているお気に入りのシールをこっそり机に貼りました
「最後に普段行かない1番上の階に行ってみようか」2人は上の階へ向かいます
先を進んでいた姉は階段を登り終える最後の段につまずきました、その時妹が「三階だけ階段の数が違うんだね」
姉は背筋が冷たくなりました
いつもの階段は12段、1段多い、、、て事は13段!?
「ヤバい!13階段は異世界への入り口!」焦った姉はすぐに降り無ければと体の向きを変えましたが背後には最後の段を登り終える妹が
ドンっ
姉妹は不意の衝撃に受け身も取れずそのまま階段から転げ落ち意識を失ってしまいました
翌日、普段通り学校の登校日
しかしそこに姉妹の姿は無く、妹の机には姉が書いた「一輪の菊の花」姉の机には妹の張ったシール「一輪の白い百合」がそれぞれ供えられていた
姉妹は異世界、そう死後の世界へ行ったのです