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I'm a perfume lover, not a collecter

『世界香水ガイド』で有名な Luca Turin のツイートを見たのは、5月も終わる頃だった。

彼は

I will not think or write about perfume in the foreseeable future. I have lost interest in it, get little pleasure from smelling new creations
私は香水について考えたり書いたりすることはないでしょう。新しい香りを嗅ぐことへの興味や喜びを失ったからです。

@vortuosity Twitter

と書いて、40年間のキャリアを閉じた。

Luca Turinの著書を持ってはいないが、一部を見聞きする限り、ある時は辛らつに、ある時はポエムのように香りを批評する、香水好きにとっては知られている人物だ。

人がひとつのことに興味関心を持っていられるのは、どのくらいの期間だろう。
ある人は一瞬で、ある人は生涯、人によって、モノによって、関心の度合いや環境によって、それは一律に定義できないものではあるが、40年ものキャリアをパッと脱ぎ去ることができるのはすごいなと思った。

私は子供の頃から香りのするものが好きだった。家には母のNo.5かミツコがあったはずだが、自分の小遣いでサンリオの「いちごコロン」を買ったのが最初だ。
その当時に比べたら、今は香水の種類が多く、店舗でもネットで簡単に買えるようになった。
百貨店の香水フロアや香水専門店に通い、今部屋にはものすごい数のボトルと、「香りを知るため」と称して集めたサンプルやディスカバリーセットや小分けが山のようにある。

去年、30mlのボトルを8ヵ月程度で使い切って、人生初のおかわりをしたが、それ以外の香水を使い切ることは、果たしてできるのか疑問である。


もし私がLucaのように香水に興味を失ったら、これらたくさんの香水はどうなるのだろう?
もし私が急に施設に入らなければならなくなったり、長期入院をしなければならなかったり、翌朝目が覚めなかったりしたら…

なんてことを突然思った。

選択肢としては、譲る、売る、捨てるだ。
どれも実行するとなると結構面倒くさい。
頼めるような人もいない。


コレクションするために私は買ったわけではないのに、気づけば私はコレクターになってしまっていた。
今だって試したい香りはまだまだたくさんあるし、年末恒例の「今年のご褒美」はGuerlainのL'Heure Bleueにしようかとも思っているのだ。

それまでに、どれくらいの香水を使い切るかわからないが、もう少し手持ちの香水を可愛がってあげなくてはいけない。


私は perfume loverであって、collecterではないのだから。

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