ブランドに対する考え方

この前、イギリス人の英語レッスンに行きました。
彼の英語レッスンは、英語を教えるというよりも哲学のクラスみたいなので面白いんですよね。

もちろん、頭の中が混乱することもあるのですが、脳には刺激を与えなければ退化するのでよしとします( ´艸`)

そのクラスの中で、ある女性が
アメリカ人はブランド物買うけど、フランスはそうでもない
という話がありました。

これについては、人それぞれ意見があるでしょうがドイツ時滞在してヨーロッパ学を学んだ一人として、個人的な見解を徒然に書いてみたいなぁと思います。

反対意見の方もいらっしゃるでしょうし、それは、それでOKだと私は思っています。

さて、ブランドについての考え方ですが、そもそもフランスには貴族という立場の方々がいらして、それは今でも名字を見ると推測ができます。

"de" "von"  "van"などの文字が、Family Name に入っていたら恐らく祖先は身分の高い人です。

彼らにとってブランドは比較的身近なものと言えるでしょう。おじいちゃまやおばあちゃまが使っていた、おとうさまやおかあさまが使っていたブランドのバッグやジュエリーを受け継いだりもしますので。

そして、ブランド側も、貴族や王族向けにバッグやジュエリーを作ってきたという過去もあります。昔の画家には、富裕層の人たちがパトロンとしてついていたおかげで、芸術家たちもお金の心配せずに活動ができたのです。

王の宝石商と呼ばれるカルティエ、グレースケリーの名前を冠した、エルメスのケリーバッグ。

日本の天皇家の方々も、公式の大切な場に行くときには、日本のブランドを身に着けるのが暗黙の了解みたいです。

そういう人たちに着けてもらって公の場に出てもらうことが、ブランドにとっては一つの広告にもなり、持ちつ持たれつの関係なのかもしれません。

さて、話を戻してアメリカとフランスにおけるブランドに対する考え方です。

フランスは貴族性が昔あったために、やはり支配階級とそうでない人たちという社会構図が、公ではないにしろ潜んでいると私は感じます。これは個人的な感覚なので、そうでないという方もいらっしゃるでしょう。

老舗のブランドの本国のスタッフの方々は、育ちのよさそうな方が多いように感じました。それは、高級な商品を扱うので、素性を入社時にチェックしているだろうということ、そして、高級な商品を買う人は、それなりの社会的なステータスや教養レベルのある方なので、その方々に合ったサービスを提供しなければならない・そういうサービスを受けたことがある、その素養がある・身のこなしがスマートであることが求められることも関係しているのかもしれません。また、ブランドでのキャリアを目指す人が入るMBAのスクールなどもあり、そういうところの学費は日本では考えられない水準で(アメリカと同じですね)裕福な人でなければ入るのが難しいということも関係しているのかもしれません。

一方、アメリカでは、Self-made manというように立身出世が良しとされ讃えられる社会です。もちろん、イットガールと呼ばれるようなCelebrityもいますし、いわゆる名家も存在しますが、自分で財を成すということは価値があることとしてみなされます。

そして、自分で財を成した際には、そのステータスシンボルとしてブランド物を持つことも多いでしょう。社会的な地位や、バックボーンがないからこそ、見て明らかに高いとわかるものを身に着けなければならないということもあるのかもしれません。(本当の大富豪は、質素にTシャツとジーパンとも聞きますが)

また、自分で働き始めてお金を持つようになると、高級なものが欲しくなるから、ラグジュアリーグッズを購入するというのも理由でしょう。社会的にも、ある一定のドレスコードが求められるので、弁護士であれば、○○のスーツ、などと制服みたいに購入されるお洋服のブランドもあります。

ここは、日本も少し近いところがあるなと思うのです。階級社会が、少なくとも表面上は見えないので、中間層である人たち(今は減ってるのかもしれませんが)が、ブランド物を買えてしまうので手に入れるし、ピアプレッシャーで周りが持っているから持たなくちゃと感じてしまうのかもしれません。そして、明らかにブランド物と見てわかるものの方が好まれるのかも?と思ったりもします。

フランスのブランドに対する考え方は、少し違っているように感じます。いいものはいい、その絶対的な価値は認めているのですが、それが買える人は多くはないので、買える人は、もちろん購入して買うのですが、その人たちは、ほかに合わせて身に着けている服やアクセサリーも、同じレベル感のものです。

高いものは買えない人は、自分の予算の中で好きなものを買う。手に入らない場合は、工夫して似たものを作ったり、蚤の市で探したり、やりくりして気に入るものを手に入れているような印象です。ブランドという名前や表面上の価値よりも、自分が好きかどうかを大切にしていて、一度気に入って買ったものは大切に使い続ける。

一方アメリカは、消費社会といわれるように、買っても着ない服を山ほど持っている人も多いんです。値札が付いたままクローゼットにしまいっぱなしだったり。

お洋服もかなりリーズナブルな値段のものからありますし、セールでは大量買いしますし、クレジットカード破産も多いといいますので、無駄に買って使いもしない状況もあるんです。なんとも、もったいない話です。(もちろん、そうでない人もいらっしゃると思います)

そこから、お金の使い方と心の豊かさという話にも発展させることはできるのですが、徒然も、今日はこの辺りで終わりにしたいと思います。

では、みなさま素敵な日曜の午後をお過ごしくださいませ。

Love, Grace

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