今、一番おすすめしたいグレイスワイン『甲州 菱山畑』
明野町の40万本ものひまわりたちも満開となり、ブドウ畑にも夏がやってきました。
この時期、私が毎晩のように楽しんでいるのが『甲州菱山畑』です。
普段、家では自社のワインを飲むことが少ないのですが、畑や醸造所、ワイナリーショップを休みなく行き来する8月、やっと帰宅し、身体が欲するのはやはり甲州です。中でも、祖父の面影を感じる『甲州菱山畑』は、疲れた身体にすっとなじんでいきます。そして、長い余韻。私はこのワインの素直さがつくづく好きなのだと感じます。
菱山畑は、私たち家族が生まれ育った故郷、勝沼町の最も標高の高い場所に位置します。
冷涼な気候を持ち、いくつかの小さな河川と複雑な地形からなる菱山地区は、花崗岩まじりの土壌が特徴的で、良質な白ワイン用ブドウを生産する産地として、祖父の代より注目してきました。
2004年、ミレジム社と協働した企画により、ボルドー大学の故ドゥニ・デュブルデュー教授の指導の下、革新的な甲州のワイン造りが始まりました。父といくつかの甲州の畑を巡る中で、デュブルデュー教授が選んだのが菱山畑でした。
このワイン“Koshu Cuvee Dubourdieu”には、その後、来社したロバートパーカー氏により、アジアで最初のパーカーポイント（87+）が付けられることになりました。
勝沼町で南アルプスの稜線を眺めることができる髄一の場所がこの菱山地区です。この風景への憧憬は、優雅な南アルプスの稜線を望む三澤農場の開園へとつながっていきます。
グレイスワインはいち早く、勝沼の中から菱山地区と鳥居平地区を選び、産地別仕込みを行い、2002年、『甲州菱山畑』と『甲州鳥居平畑プライベートリザーブ』をリリースしました。
標高の高い産地と辛口に信念を持ち続けた父が、当時造った甲州は、驚くほどのエネルギーに満ちていると感じることがあります。
産地や畑別で銘柄が分けられている
『甲州 菱山畑』には、スモーキーと感じるくらいのミネラルと複雑さが表れます。
透明感ある淡いレモンイエローの色調、スダチなどの柑橘系、白桃の香りやマンダリンの風味、鉱物をイメージするミネラルの香り。白コショウやバラのような香りも感じられます。
味わいは、スムースな口当たりで辛口。標高が高く冷涼な気候や多様な土壌由来の伸びやかで複雑な酸味やミネラルの風味があり、包容力を感じます。
グレイスワインの公式オンラインストアでは、美しい酸が特徴の『甲州 菱山畑』と『茅ヶ岳甲州』の飲み比べをご用意させていただいています。
2012年に、英国を代表するメディアの一つ「インデペンデント」にて、ワインコラムニスト、アンソニー・ローズ氏より高くご評価いただいて以降、近年は、2023年に、マックス・アレン氏が、オーストラリアの全国紙「ファイナンシャル・レビュー」で『甲州 菱山畑』をご紹介くださるなど、その繊細さと複雑さが注目し続けられているワインです。
過去には、英国で、甲州に合わせるフードマッチングのコンペが開催された際、料理人の方々がこぞって『甲州 菱山畑』を選んでくださいました。
どんなお料理が第一位に選ばれたのか…気になる方はこちらの記事にその模様を書かせていただいていますので、ご覧ください。
現在、ワイナリーショップでは、『甲州 菱山畑』に合わせて、フランス・ロワール地方を代表する旬の山羊乳のチーズ「ブシェット ミエル」を合わせてご提供させていただいています。『甲州 菱山畑』のスモーキーな香りと包容力のあるテクスチャーは、どことなくロワール地方の白ワインを連想させるワインです。
※ブシェット ミエル
山羊乳チーズ（シェーヴルチーズ）の生産で名を馳せているジャッカン社が手掛けるフレッシュタイプのシェーヴルチーズです。生地に蜂蜜が混ぜ込まれており、ほんのりした甘みが感じられるデザートのようなチーズです。
こちらのチーズは、1986年創業のチーズ専門店「フェルミエ」より購入させていただいています。
他にも『キュヴェ三澤2013』や『三澤甲州』の特別試飲なども行っています。
お盆期間中も営業しておりますので、是非遊びにいらしてください。
【ワイナリーショップ 8月休業日のお知らせ】
18日 (日) 21日 (水) 28日 (水)
8月はお盆期間を除く水曜日と8月18日（日）を休業日とさせていただきます。
【マリクレールの連載を更新いたしました】
今月は、ちょうどチーズの楽しいアレンジについて書かせていただきました。
『甲州 菱山畑』も登場しています。