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不倫の代償 ②

子供の頃は気づかなかった…
というより、わからなかったが
母親は男性がいないと生きていけないタイプの人だ。

昔から年齢の割には若めに見えるし
誰かに甘えるのが得意だ。

そして、人のものをすぐ欲しがる。

「それ、ちょっとちょうだい」
「それ、いいなぁ…欲しい」
と食べ物だったり物だったり
人のものを見るとすぐそういうセリフを言う。

特に何かを男性にやってもらえたりすると
「わぁ!!ありがとう!!本当にうれしい」
とかなりのオーバーリアクションをする。

実際、私が大人になってから何度かその場面に遭遇したことがあり、
「あ、母はそういうタイプだったのか」
となんとなくすべての合点がいった。

私は、自分で吟味して選んだものを大事にしたいタイプなので、
自分で探したり見つけたりする苦労をせずにいいものを手に入れたい母親のような人は、正直理解しがたいし相容れない。



そんな母親に、学生時代の私は何かの話の流れから質問をしたことがあった。
「〇〇さん(母親の不倫相手)は奥さんいるんだよね?なんで離婚しないの?」

子供ながらに、『あなたは不倫してますよね?』という疑問をタイミングを見計らって問いただしてみた。

すると母親は
「今の奥さんは2人目で、日本人ではないから離婚出来ないのよ。前の奥さんの間にも子供がいるし」
と言っていた。

離婚してもらえないし、離婚すると色々大変なことになる…というようなニュアンスで話していた気がする。
昔なのでうろ覚えだが。

それ以上の会話は覚えていないが
おそらくそのまま大した話をせずに終わったんだろう。


それを聞いた私は
「え?だから何??
私たちは愛し合ってるけど、今の奥さんが離婚してくれないから一緒になれない的なこと??
だから不倫だけど仕方ないってこと??
愛されてるのは私なのってこと??
何普通の顔して、自分は悪くないって顔して言っちゃってんの?」
と心で冷静に思っていた。


父親が生きていた頃は、
会社でバレンタインのチョコをたくさんもらってきていたりしたので、
何かにつけて母親は
「パパはモテるから。女性に優しいから」
といつも少し不機嫌そうに言っていた。


なのに
不倫しちゃうんだ。
奥さんの立場を知っているのに
不倫しちゃうんだ。
自分はされたら嫌だけど、人にはするんだ。

そしてそれを
悪気もなく子供に女として話してるんだね。
母親としてではなく。



そんな母親の言葉を直に聞いてから
さらに私の日常のストレスに拍車がかかっていった。

そしてそれは
身体に異変として出てくることになる。


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