優遇されるタイプ、冷遇されるタイプ
はじめに
いつもTwitterやツイキャスをご覧いただきありがとうございます。
グレースです。
皆さんはポケモンのタイプ相性を完璧に把握されていますか?
剣盾やBDSPから始めたトレーナーは、うろ覚えの人もいるかもしれません。
完璧に把握していたとしても、違和感のあるタイプ相性があったり、強弱の差が激しいと感じることはありませんか?
下記の画像は、LEGENDSアルセウスにて初めてゲーム内に表示された(実に25年経っての出来事)タイプ相性表になります。
タイプ相性によるダメージの増減は「こうかはばつぐん」「いまひとつ」「こうかがない」「等倍」の4通りがあります。
本記事ではタイプごとに攻守両面において有利な相手と不利な相手の数を計算し、可視化した上で評価していこうと思います。
【優遇】ほのお
攻撃:ばつぐん4通り、いまひとつ4通り(±0)
守備:ばつぐん3通り、いまひとつ6通り(+3)
ほのおはイメージとは裏腹に守りに長けているタイプです。守備のこうかばつぐんが3通りにも関わらず、いまひとつが6通りもあるのです。攻撃においても、やけど無効という特典があります。
その要因は、二世代ではがね、六世代でフェアリーが追加された時、ほのおに対する攻撃がいまひとつに設定されたためです。対戦環境で猛威を奮うこの2タイプに有利なのはほのおの強みと言えるでしょう。ほのお技の需要も高いです。ポケモンの歴史の積み重ねとともに進化してきたタイプです。
【優遇】みず
攻撃:ばつぐん3通り、いまひとつ3通り(±0)
守備:ばつぐん2通り、いまひとつ4通り(+2)
世代を重ねるごとに強化されてきたほのおとは対照的に、初代から抜群の安定感を誇っているのがみずです。最初に御三家を選ぶ時に、戦力として計算しやすい本タイプを選ぶトレーナーも多いのではないでしょうか。
攻撃の等倍範囲の広さも印象的ですが、何よりも守備のこうかばつぐんが2通りしかない堅実さに目を引かれます。弱点であるでんきとくさは特殊アタッカーが多いため、物理アタッカーに対しては種族値以上の硬さを感じることもあります。
【優遇】じめん
攻撃:ばつぐん5通り、いまひとつ2通り、こうかがない1通り(+2)
守備:ばつぐん3通り、いまひとつ2通り、こうかがない1通り(±0)
攻撃の優秀さが光るのがじめんです。5つのタイプに対してこうかばつぐんを与えることが出来、等倍の範囲も広いです。また、でんきに対してこうかばつぐんを取れる唯一のタイプでもあります。
赤緑の頃から現在まで一線級で使われる「じしん」(威力100・命中100)が、ただでさえ優秀な攻撃性能を底上げしている印象があります。三世代でじめん技を無効にするとくせい「ふゆう」が追加されたのも、バランス調整の一環だったのかもしれません。
【優遇】ゴースト
攻撃:ばつぐん2通り、いまひとつ1通り、こうかがない1通り(±0)
守備:ばつぐん2通り、いまひとつ2通り、こうかがない2通り(+2)
ゴーストは、全てのタイプの中で唯一、守備においてこうかがないを2通り持つ点が優秀です。攻撃においてはこうかばつぐんを2通りしか持たない一方、いまひとつやこうかがないは1通りずつしかなく、技の通りが非常に良いことを示しています。
パーティにノーマルやあくを採用しておらず、ゴーストを受けられない経験をしたトレーナーも多いのではないでしょうか。有利不利による波が少ないため、とりあえずパーティに入れておいて損は無いタイプと言えます。
【優遇】はがね
攻撃:ばつぐん3通り、いまひとつ4通り(-1)
守備:ばつぐん3通り、いまひとつ10通り、こうかがない1通り(+8)
はがねは守備の優秀さが際立っています。六世代でゴーストとあくを受ける時の半減が等倍に変更されたのにも関わらず、この強耐性です。今すぐにでもナーフするべきタイプだと思います。ゴーストやあくに続き、エスパーに対する守備も等倍とするのが良いのではないでしょうか。
初登場からずっと強かったはがねですが、六世代でフェアリーが追加されたことで更に勢いが増します。フェアリーに対して攻守両面で有利なのは勿論、相性補完が良く同時にパーティに採用されることもしばしばあります。
【優遇】フェアリー
攻撃:ばつぐん3通り、いまひとつ3通り(±0)
守備:ばつぐん2通り、いまひとつ3通り、こうかがない1通り(+2)
五世代で大暴れしたドラゴンやかくとうを抑制するべく、六世代で追加されたタイプです。新参ではあるものの、そのファンシーさがポケモンの世界観によくマッチしており、登場当初から現在に至るまで人気も高いです。
あくとはがねが対エスパーとして生まれたように、フェアリーの導入が間違いとは思いません。しかし、元々強力とは言い難かったむしやあくは、フェアリーの登場で割りを食うことになりました。むしに対するいまひとつ、必要ですか?あくとはお互いにばつぐんを突き合う方が良かったと思います。
【冷遇】くさ
攻撃:ばつぐん3通り、いまひとつ7通り(-4)
守備:ばつぐん5通り、いまひとつ4通り(-1)
初代から御三家のタイプとしてほのお・みずと共に採用されているのにも関わらず、ずっと冷遇されているタイプです。なんと、攻撃・守備の両面において不利な相手の方が多いのです。御三家を選ぶ時、道中の進行のしづらさから敬遠してしまうトレーナーも多いのではないでしょうか?
殆どのみずタイプがこおり技を使えることが、くさの冷遇に拍車をかけていることは周知の事実であり、改善すべきだと思います。ユキノオーやナットレイなどのこおり等倍組が、多くの実績を残していることからも明白です。
【冷遇】こおり
攻撃:ばつぐん4通り、いまひとつ4通り(±0)
守備:ばつぐん4通り、いまひとつ1通り(-3)
攻撃においてはばつぐんが4通りあります。いまひとつも4通りあるのですが、こおりを弱点とするタイプやポケモンには強豪が多いため重宝します。
一方、守備は壊滅的です。ばつぐんが4通りあるのにも関わらず、いまひとつは自身と同じこおりのみという惨状です。そのため、「こおりタイプは必要ないが、こおり技は必要」と言われてしまう始末であり、その割りを食っているくさの項目でも触れています。こおりタイプ以外にこおり技を取得させるのは著しく制限した方が良いと思います。
【冷遇】エスパー
攻撃:ばつぐん2通り、いまひとつ2通り、こうかがない1通り(-1)
守備:ばつぐん3通り、いまひとつ2通り(-1)
初代では文句なしに最強のタイプでした。当時、弱点であるむしやゴーストには強豪ポケモンがいなかったり、まともな攻撃技が存在しておらず、エスパーをいまひとつに出来るのはエスパーだけという有様でした。
二世代であくとはがねが追加され相対的に弱体化すると、以降は鳴りを潜めます。攻守両面において苦手な相手の方が多いため、エスパータイプにはポケモン自体のスペックが求められるようになりました。はがねに対する攻撃のいまひとつは、そろそろ撤廃しても良いと思います。
【冷遇】むし
攻撃:ばつぐん3通り、いまひとつ7通り(-4)
守備:ばつぐん3通り、いまひとつ3通り(±0)
くさと共に冷遇の筆頭といえるタイプです。しかも、攻撃ではばつぐんといまひとつの割合がくさと同じです。攻撃の通りづらさが扱いにくさに繋がっていると言えます。かくとう・ゴースト・フェアリーに対する攻撃のいまひとつって必要ですか?苦手とするイメージがしづらいのですが・・・。
七世代でフェアリーが登場し、八世代でダイジェットが猛威を奮い凄まじい逆風が続いています。地中に巣を作る昆虫のイメージから、じめんに対する攻撃がばつぐんを取れるようにならないものでしょうか・・・。
最後に
いかがでしたか。
優遇されているタイプがあれば、冷遇されているタイプもあることがお分かりいただけたかと思います。
むしろ、この記事を読む前から感じていたトレーナーの方が多いのではないでしょうか。
初代ポケモンが発売されてから25年が経ち、これからも作品が長く続いていくためには、適宜タイプ相性を見直していくことは必要なことだと思います。
特に八世代のむしの悲惨さは、本記事では書き足らないほどです。対戦で見かけるむし要素は、フェローチェととんぼがえりくらいなものです・・・。
九世代にあたるポケモンSVでは、すべてのタイプに活躍の機会が用意されることを期待しています。
以上