「レス」で起きていること
今日は、少し離れた視点から「レス」について書いてみる。
男性性と女性性について、以前書いたわたしの記事は控えめに言ってかなり好評だった。(女性性はただあることで、男性性はそれを見つめること)
これを少し深掘りしつつ、「レス」で起きていることについて解説を試みる。
わたしが相談を受けるのは、だいたい女性なのだけれど、ご夫婦を見ていて気づいたことがある。
それは、「男性性と女性性のバランスが崩れている」ということだ。
男性性が女性の中にあってもいいし、女性性が男性の中にあってもいい。
けれど、レスになっているご夫婦は旦那様が女性性を発揮し、奥様が男性性を発揮していることが多いように見受けられる。
つまり、男女逆転現象が起きている。
けれど、これを意外とご本人たちはわかっていないので解説してみる。
男性性と女性性の概念について振り返る。
いつも先にあるのは、女性性だ。
「かわいい」「きれい」「きもちいい」「おいしい」
「ほしい」「いきたい」「やりたい」「たべたい」
「いやだ」「きもちわるい」「やりたくない」
こういったすべての欲求や願望は女性性の役割である。
内側から溢れ出てしまう気持ち、「なんとなく」でできているような、理由が存在しないもののこと。
対して、男性性はその女性性を応援して発揮するための思考のことだ。
「チョコ食べたい」
そう思ったとき、「夜中だけど、コンビニに買いに行こうか。」とその女性性を満たすために発言したり、実際に行動すること。
ひとりの人間においても、複数の人間関係においても、うまくいくものはこの女性性と男性性のバランスがとれている。
では、うまくいっていないということはどういうことか。
「チョコ食べたい」
と思ったり言われたとしたときのことをイメージしてみる。
自分の中の男性性:「ダイエット中だから我慢しよ。」
旦那様:「また太っちゃうよ。やめときなよ。」
彼氏:「いつもの切れちゃってる。一緒にコンビニ行く?」
母親である自分:「もう、虫歯になるからダメよ。歯磨きも終わったでしょ。」
これは全部、男性性からくる発言だ。
中でも注目は、一番下のセリフ。
母親という女性的な役割なのに、男性性なのだ。
母親業の中には、子どもに社会性を持たせるための「躾」や能力を高めるための「教育」という業務があり、それには男性性が司る理性や思考が不可欠である。
だから、いいお母さんであろうとすればするほど男性性が強くなる。
母親とは24時間母親なので、この影響は思いの外大きい。
母親という女性を表す言葉だから、この矛盾と影響力に気づきにくい。
レスのきっかけとして、子どもが産まれたというのはよく聞く話だ。
単に時間がなくなって会話がなくなったから、とそれ以上考えないひとも多いと思う。
けれど、レスには確実にこの男性性と女性性のバランスが影響している。
この男性性と女性性のバランスが崩れるとはどういう状況か、それをいかに保つのか、について次回書いてみようと思う。