子供時代【15】暴力を受けることに慣れてしまう
恐ろしいもので、人は環境に慣れていきます。
暴力を受けることが、私たちにとっては日常で、あまりまえのことになりつつありました。
もちろん、殴られるのは、嫌な事には変わりありません。
しかし、どうせ今日も殴られるという、諦めの境地に達していきました。
継母は何かしら理由をつけては、私たちを殴ります。
毎日、必ず殴ります。
継母と暮らした8年間、必ず1回は殴られるとして、通算で2.500回くらい、頭や顔を、拳骨や平手で殴られてきました。
でも、1日1回ではありません。
1日に2〜5回、殴られるときもありましたから。
かなり少なく見積もって、2.500回は、殴られたのです。
その毎日毎日の積み重ねは、私の体も精神も、おかしくしていきました。
まず体がおかしくなりました。
小学校の男子のクラスメイトが、「おまえなんでウィンクなんかしてるんだよ」と。からかってきました。
え?
ウィンクしてる?
そんな自覚はまったく無く、私は普通に瞬きをしているつもりでした。
鏡を見たところで、両目をきちんと閉じて瞬きしています。
しかし家でも継母に、「片目だけ閉じるのやめろ!」と何度も怒られました。
そんな事を言われても、自分ではやっているつもりはないのです。
顔や頭を殴られているから、体のどこかがおかしくなっていたのでしょう。
継母から怒られるから、がんばって意識していたら、いつのまにか治っていたみたいです。
そして、言葉が出てこなくなりました。
頭で思い浮かんだ言葉が、スムーズに口から出てこないのです。
滑舌が悪くなった時期もありました。
うまく喋る事ができないのです。
小さなことですが、こんなふうに少しずつ、私の体はおかしくなっていました。
*次の記事は
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