似非エッセイ#02『夢』

眠りが浅いのか深いのかはよくわからない。
ただ、必ずといっていいほど夢は見ている。
そして時々、奇妙な夢を見る時がある。
今朝見た夢もそうだった。

夢の中で僕は、何かの列に並んでいた。
3人1組の列ごとにエレベーターに乗せられる。
待っている間、隣に並ぶ人物と僕は会話をしている。しかし、その人物の顔には全く覚えがない。
だけど夢の中の僕はまるでその人物と旧知の仲であるかのように何の違和感も抱かずに言葉を交わしている。
その人物は男性で、年齢は僕と同じくらい。丸顔で髪には緩くパーマがかかっている。だけどやはり顔には全く覚えがない。
相手が話している内容もまた奇妙だった。
「何かあったらボタンを押したくなるんだ。恐怖を感じると特に。この間も、ヤッてる女が上に乗って物凄い激しく動くんだ。俺はずっとボタンを連打してたよ」
今こうして字に変換していても意味がわからない。
だけど夢の中の僕はその話に共感し、笑い合っていた。

そこで目が覚めた。時間を見るといつもより早い目覚めだった。
改めて思い出してみても、やはり会話をしていたあの男が誰なのかわからない。これまで関わりのあった誰かでもなく、こちらが一方的に目にするような有名人等でもない。
少しずつ恐怖を感じてきた僕は、こうして文章に昇華する事で気を紛らわそうとしている。

そういえば以前こんな話を耳にした。
ある女性タレントが、見知らぬ男に襲われる夢に悩まされていた。何度も同じ夢を見、襲われる相手は必ず同じ男で、しかし面識のない顔らしい。
ある時その女性タレントが、男の似顔絵を書いて公開した。すると世の女性たちから驚きの声が上がった。
「私もこの顔の男から襲われる夢をよく見ます」
これが一人や二人ではなく、かなりの数だったという。
これは単なる偶然だろうか?
しかし考えてみれば、まず【夢】という存在そのものが奇妙な点だらけだ。
いずれもっとじっくり書きたいと思う。それがこの場なのか、小説なのかはわからないけれど。

改めて、僕の夢に現れたあの男性は一体何者だったのだろう。もしかしたら他の誰かの夢にも現れているのかもしれない。

そもそも、あの夢を見ていたのは、本当にこの僕だったのだろうか?

これ以上考えると眠れなくなってしまいそうなので、この辺で終わりにしておこうと思う。

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