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似非エッセイ#16『理不尽様へ』

我ながら日陰の人生を歩んできたと自負がある。のっけからこんなことを語るのもどうかと思うが事実だ。
これもまた、胸を張って言うことではないけど、人間それぞれ持つ『運』を数値化したら、自分の数値は平均を遥かに下回るだろう。自信がある。
もちろん自分の努力や頑張りが足りないのもあると思う。でもそれでもやっぱり、努力や頑張りでどうにも出来ない部分、つまり『運』には恵まれているとは例え口を裂けられても(?)口にしたくはない。
具体的にどう運が悪いかとかはあえて書かない。誰も読みたくないだろうし、羅列するだけでも大変なくらいに多いからだ。

そんな人生のせいか、偏った能力値を与えられたせいか、僕が書く文章・描く物語はほとんどが暗く陰惨なものだ。

たまに読んでくれる人がいると、決まって暗いと言われる。わざとそうしてるとはいえ、暗い顔で暗いと言われるとずしりとくる。

それでもそんな作風(と言えるほどのものではないけど)を貫くつもりでいるのは、多分広い世界には、そんな自分と同じような、或いはもっと『運』値()が低い人がいて、そんな彼ら、いや同志に、ここにもいるぞ!と伝えたいからだ。

世界も社会も何処を見ても理不尽だらけだ。
それはいい。どうせ覆ったりはしない。
だけど踏ん反り返っている理不尽の顎元に、底を這う人間からのパンチが一発ぐらい当たったっていいだろう。
ダウンなんて奪えなくていい。どうせ奪えない。どうせ理不尽の圧勝(八百長)は最初から決まっている。
惚れ惚れするほど徹底して理不尽は理不尽なのだ。

※画像と本文は関係ないようで、少しあるようで、やっぱりないというか、本文がアレなので好きな映画のシーンを選んだだけです。

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