似非エッセイ#10『途中』
相変わらず間が空いてばかりの似非エッセイ。
なんと八月はまるまるスルーという体たらく。
ならば!と九月は初日から書いてみる。
とはいえ過ごす日々に変わりはなく、来る日も来る日も仕事→執筆→仕事のループ。
そんな中でもうすぐ歳をまたひとつ重ねてしまうわけで、、
だけど実際のところ、誕生日を迎えたからといって自分が歳をとったという実感はあまりない。
身体にメーターでもあればわかりやすいのだけどそれもない。
だから蝋燭を吹き消したり、クラッカーから飛び出す紙を浴びたりして、なんとか自覚しようとする。
それこそ、三十を過ぎてからは自分の年齢がパッと出てこない時がある。
老化に対する拒絶なのか、或いはそれ自体が老化現象なのか。いずれにせよ歳をとる事はこの世で数少ない、すべての生き物に平等なものだ。
もうじきこの僕にもまた順番が回ってくる。やっぱり手放しには喜べない年齢になった。それはもう認めよう。
まさに今朝、目に違和感を覚え職場のトイレで鏡を見てみたら小さなものもらいができていた。
こんな小さな異変から、いつか訪れるだろう大きな異常まで、この身体は待ってはくれないだろう。
仕方のない事だ。ならば出来る事をやるしかない。だから帰りに目薬を買ってきた。
ぽつりぽつりと差しながら無力な僕は、ひとまずこの小さな異変だけでも一刻も早く回復してくれと、願うばかりであった。
ただ、それだけ。
その積み重ねこそが……
いや、この結論に至るのはまだやめておこうか。
あくまでまだ途中のはず、だから。