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EastWestの「HOLLYWOOD CHOIRS」を使ってみた感想
以前からEpic系のクワイア音源を探していて、気になっていたものがセールで安くなっていたので購入した。
何回か使ってみて、良かったところやイマイチなところがちょっとだけわかってきたので、その感想を書いていく。
HOLLYWOOD CHOIRSについて
HOLLYWOOD CHOIRSはEastWestが出しているクワイア音源で、任意の言葉を歌わせることができるライブラリ。Epicやオーケストラ等で使えそうな迫力のあるサウンドになっている。
「Play」という付属のプラグインを使って動作可能。
価格は
Diamond Edition:¥62,510
Gold Edition:¥49,983
ただし、現在(2021/11/01)時点ではセールで
Diamond Edition:¥30,015
Gold Edition:¥25,004
になっている。
詳細は公式ページへ。
僕が購入したのはDiamond Editionで、当時の価格はセールで¥37,006だった。
良かったところ
・音がいい
僕は他の有料クワイア音源を使ったことが無いし、プロの作曲家というわけではないので、音の善し悪しはそこまでよくわからない。しかし、やはり値段が値段なだけあってそこらのフリー音源よりかなり迫力がある。
以下はHOLLYWOOD CHOIRSを一部使用した曲。
僕の曲は音作りもミックスも適当なのであまり参考にはならないかも。
・UIが割と分かりやすい
こういうマニアックなプラグインはUIがごちゃごちゃしていて使いづらい印象があるが、これは割と直感的でわかりやすくなっている。
以下はPlayのメイン画面。プラグインを立ち上げたあと、左上の「Browser」から、「men」または「women」のライブラリを読み込むと使えるようになる。
メイン画面ではエンベロープやリバーブなどの調整ができる。画面中央部分はマイクの位置を表しており、すぐ横の「MIXES」で調整が可能。
以下はWordBuilder画面。「TEXT EDITOR」欄のところに任意の歌詞を入力するとその通りに歌ってくれる。「TEXT EDITOR」欄に入力されている任意の文字列にカーソルを合わせると、それに連動して下の「WORD」「SYLLABLE」「LETTER」「TIME EDITOR」も変わる。
また、プリセットの歌詞も豊富に入っている。「PHRASES」ボタンを押すと
・English
・German
・Italian
・Latin
・Spanish
のフレーズが選択可能になる。
・リバーブが豊富
リバーブの種類はかなり豊富。正直どれが良いかよくわからないが、逆に考えれば、曲に馴染むリバーブが見つかる可能性が高いということ。
リバーブに関しては僕もよくわからないのであまり深い話はできない。。
・工夫すれば日本語っぽく歌わせられる
クワイヤ音源の発音はそこまではっきりしていないので、歌詞を工夫すれば日本語っぽくなる。
以下は日本語っぽくしてみたやつ。
元の歌詞がわからないと分かりにくいかも。
歌詞はこちらの記事の一番最後の段落。
https://note.com/grim_voice_bank/n/ne21db174b815
イマイチなところ
・Playがちょっと重い
複数のトラックに分けると結構メモリを消費する印象がある。
フレーズごとに別々のエフェクトを使いたいがためにPlayを4~6トラックほど使用して曲を作った。が、作り終わった後にプロジェクト開いたらその瞬間DAWが落ちた挙げ句、その後永遠にプロジェクトが開けなくなるという事態になったことがある。
ただ、このプロジェクトではPlayの他にもVOCALOID5やSforzandoなどのメモリ消費が激しいプラグインを使っていたので、Playだけが原因ではない。
とはいえ、そこまで重いプラグインを立ち上げなくとも、Playを6トラックほど立ち上げると「PHRASES」ボタンを押したときの挙動が怪しくなった。
この辺りはPCのスペックやDAWの相性によって変わると思われる。ちなみに今使っているPCのメモリは32GB。64GBにしとけば良かったかも。
・打ち込んだmidiとどの言葉が対応しているのかが分かり辛い
VOCALOIDのようなmidiノート1つに対して1音を入力するような形式ではなく、「TEXT EDITOR」欄に入力された文字列を頭から順番に歌い上げる形式になっている。
そのため、メロディフレーズの頭から再生しようが途中から再生しようが、お構いなしに歌詞の頭から歌い上げることになる。
また、再生中は特に歌い上げている文字がリアルタイムで強調されたりすることがなく、発音はあまり明確ではないので、今どこを歌い上げているのかが分かり辛い。
基本的には歌詞の頭から歌い上げるので、midiノートと音節を数えて合わせていくしかなさそう。
・音節と音節の繋がりに違和感がある場合がある
「PHRASES」から選んだ歌詞ならまだしも、自分で入力した歌詞を歌わせる場合では、音節と音節の繋がりが不自然な箇所がちらほら出現する。特に歯擦音の音量が異常に大きくなったりする。
そのため、TIME EDITORで調節したり、オーディオミックスダウンをして処理したり、ディエッサーをかけたりしないといけなくなるのでとても面倒。
・TIME EDITORが使い辛い
これは自分が慣れていないだけかもしれないが、WordBuilderのTIME EDITORは使い勝手が悪いと感じる。
不自然な音節の繋がりが生じたときにここをいじったりするが、フレーズの途中でも歌詞の頭から歌い上げるせいで、パラメータ調整の前後でどのくらい変化したのかが確認し辛い。
おわりに
任意の歌詞を歌わせられるクワイヤ音源というロマン仕様ではあるが、値段も高い上に使いこなすのに少し時間がかかる。しかしその分、音の迫力は申し分ない。
ただ、任意の歌詞を歌わせられると言っても、そこまではっきりとした発音ではない。
別に任意の歌詞を歌わせる機能はいらないというのであれば、Orchestral Toolsの「Metropolis ARK1」や8dioの「Lacrimosa」の方がいいかもしれない(使ったこと無いが、パッと聞いた感じだとそちらの方が迫力があると感じた)。