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デジタル・トランスフォーメーション

「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、質問を通じて具体的に仕組みに落とし込んでいきます。

 カテゴリー7.環境変化に合わせたイノベーションの実現について見ています。

 ICTを活用してイノベーションを実現します。

7.(8)最先端技術・ICTの活用・融合
 最先端技術・ICTの活用・融合によって、イノベーションが起こること(DX:デジタル・トランスフォーメーション)を理解していますか。

 DXについては、経済産業省のレポートを確認しておきます。

 経済産業省から、デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会中間とりまとめ「D X(デジタルトランスフォーメーション)レポート2」が2020年12月28日に出されました。
 コロナによって多くの企業が事業変革を迫られている状況で、高まったDXの緊急性に対応するための指針をまとめています。
 DX 成功パターンには、DX に向けた戦略の立案・展開にあたって前提となる「組織戦略」と「事業戦略」、「推進戦略」が含まれる。
(1) 組織戦略:DX の成功事例のうち、組織の観点で特徴があるものに、経営者・IT 部門・業務部門が協調して推進する、というパターンがある。企業の方針を決めるにあたっては、このような三位一体の対話によって共通認識を形成すべきである。
(2) 事業戦略:「顧客や社会の問題の発見と解決による新たな価値の創出」と、「組織内の業務生産性向上や働き方の変革」という二つのアプローチを同時並行に進めることが重要である。いわゆる「両利きの経営」と言われるように、既存事業の効率化と新事業の創出は両輪で検討すべきである。既存事業の見直しにより産まれた投資余力を新事業の創出にあてることで、企業の競争力と経営体力を高めることが出来る。
(3) 推進戦略:重点部門を見極め、小さく始めて、段階的に全社的な取組みに広げることを検討すべきである。これによって、まず重点部門で成功事例を作り出してから組織全体へ展開し、あわせて、DX を推進する上での課題を早期に明らかにしつつ対応する、というアジャイル的な DX の推進が成功への鍵となる。
(「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート2(中間取りまとめ)」本文、33-34ページより引用)
 組織戦略では、経営者・IT 部門・業務部門の協調、事業戦略では、「両利きの経営」、推進戦略では、アジャイル的な推進がポイントとしています。
 「両利きの経営」については、別のレポートで次のように紹介しています。
 企業活動における両利きとは、主に「探索」(自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうという活動)と「深化」(探索を通じて試したことの中から成功しそうなものを見極めて、磨き込んでいく活動)という活動が、バランスよく高い次元で行われていることを指すとされており、不確実性の高い探索を行いながらも、深化によって安定した収益を確保しつつ、そのバランスを取って二兎を追いながら両者を高いレベルで行う必要があるとされている。
(「事業再編実務指針 エグゼクティブ・サマリー」経産省、2020年7月)
 既存事業の「深化」と新たに挑戦する事業の「探索」の二兎を追う経営です。

 さらに、2021年8月に出された「DXレポート2.1(DXレポート2追補版)」では、「DXレポート2(中間とりまとめ)」では明らかにできなかった、デジタル変革後の産業の姿や、その中での企業の姿を示しています。
 DXレポート2は、社会課題の解決や新たな価値・体験の提供が迅速になされるデジタル社会を目指すとしています。
 社会全体でデジタル化が進む中で、企業はこの不可逆的な変化に対応して、データとデジタル技術を駆使して新たな価値を創造することが求められています。
 デジタル社会の実現に必要となる機能を社会にもたらすのがデジタル産業です。
 デジタル産業を構成する企業は、価値創出の全体にデジタル技術を活用した、それらを介して他社や顧客とネットワーク型でつながり、エコシステムを形成します。
 デジタル産業を構成する企業は、次の図「デジタル産業の構造と企業類型」(DXレポート2.1より引用)にある、①から④に示す、4つに類型化できるとしています。

 従来のユーザー企業は、④新ビジネス・サービスの提供の主体に、また、顧客のIT化を支援するパートナー企業が、①企業の変革を共に推進するパートナー、②DXに必要な技術を提供するパートナー、③共通プラットフォームの提供主体に分かれていくイメージと見えます。
 DXレポート2.1では、既存産業のユーザー企業、パートナー企業の変革を阻むジレンマを示し、それを打破してDXを進めるためには、企業経営者のビジョンとコミットメントが必要不可欠であるとしています。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

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