日本イノベーション融合学会年次大会
6月12日に日本イノベーション融合学会(IFSJ)年次大会「プレ知のオリンピック2022」でグローバル・クオリティ・フォーラムとして発表させていただくことになりました。
当初は「ボルドリッジに学ぶ」と題して主にボルドリッジの紹介を行う予定でしたが、「融合学会」ですから、融合に焦点を当てて、ボルドリッジに学んだことを「勝ち抜く会社の800のポイント」に応用した事例として紹介することとしました。
ボルドリッジと内部統制評価基準の融合です。
とは言っても、「ボルドリッジ」と言われてもわからない方がほとんどですから、まずその紹介から。
ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークあるいはそこに含まれる審査基準による米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞)は、当時競争力に優れていたドイツや日本の主に製造業に学んで米国が作り上げたプログラムです。(日本を軸に考えるとこんな図になります。)
グローバル・クオリティ・フォーラムは、その活動の一つとして、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(冊子)の翻訳・日本語版の発刊(発行は日本経営品質賞委員会)を行ってきました。
近年では、その要約版であるボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの日本語版を作成し、米国ボルドリッジ(NIST)に提供、ボルドリッジのホームページから誰でもダウンロードできるようにしていただきました。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークをベースに組織改善を進める日系企業の海外現地法人や海外法人の日本支局などの方々が主なユーザですが、もちろん日本の企業・組織も活用できます。
もともと日本企業の(当時の)強みを研究して米国流に昇華したものですから、日本企業にも親和性はあるはずです。
さて、その応用先、融合の相手は、NPO法人内部統制評価機構が提供する「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」です。
ボルドリッジが組織経営を7つの側面で評価しているように、「800のポイント」は経営を8つの側面で評価します。
もともと5つの側面、500のポイントで評価していたものに、時代の要請に応じて、新たに3つの側面300のポイントを追加し改訂したものです。
中身は、8つの側面(カテゴリー)それぞれに10個の質問(評価項目)があり、その一つひとつがさらに10個の詳細質問(チェック項目)に分かれています。
質問によって組織の仕組みや活動を振り返り、改善点を見つけて改善していくというものです。
この活用において、ボルドリッジから学ぶこととして、ボルドリッジの本質から3点をとりあげました。
適切な質問によって改善を導くこと。
自己評価(セルフアセスメント)により自身で気づくこと。
それを継続的改善につなげ、組織文化とすること。
以前はの「内部統制評価」では、カテゴリーごとに10個の質問をおいて、認定内部統制評価者が評価する仕組みでした。
内部統制評価者が持つノウハウを、一つひとつの質問ごとに10のポイントとして形式知化することによって、組織メンバが自身で評価できるようにしたものです。
組織メンバが自身で気づきを得て改善に臨むので、その実効性は増大します。それを繰り返すことで、継続的改善を組織文化にまで高めます。
そうした活用をイメージしています。
そうはいっても最初から800のポイント(詳細質問)に取り組むのは、そう聞いただけで怖気づきかねません。
そこでボルドリッジが「はじめの一歩」として提要している「easyInsight」を真似ることにしました。
ただ真似るのでは「イノベーション融合」になりませんので、選択肢に、「これまで考えたこともない」という項目を新たに追加することを提案しています。現在鋭意開発中です。
発表はここまで。持ち時間は15分です。
さて、うまく話せるでしょうか。
★★★
今回の発表は「勝ち抜く会社の800のポイント」の活用についてでしたが、内容についてはマガジンで紹介しています。
800のポイントからのボルドリッジアプローチ|旅の人|note
2022年次大会・プレ「知のオリンピック」大会はこちらです。