組織学習
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上するための最も重要な質問集です。質問に答えることで自ら気づき、改善を繰り返していくことで、現在と未来の成功を確実なものにしていきます。
質問は7つのカテゴリーに分けられていて、その一つに「情報、分析、ナレッジマネジメント」があり、他の6つのカテゴリーの基盤に位置づけらています。
ボルドリッジにおいて、ナレッジマネジメントとは何かを確認しました。
この「情報、分析、ナレッジマネジメント」のカテゴリーでは、これがさらに「組織学習」に拡張されています。
実際、ナレッジマネジメントで組織知を管理することで、さらに次の段階に進みます。
・組織内のベストプラクティス(すぐれた仕事のやり方)を組織全体で共有する。
・知識と資源を活用して、組織の業務運営のやり方に学習を組み込む。
このように「情報、分析、ナレッジマネジメント」のカテゴリーでは、質問を通じて、ボルドリッジの核となる価値観と概念のひとつ「組織学習」を組織に組み込みます。
組織学習(Organizational Learning)
組織の学習には、既存のアプローチの継続的な改善と大きな変化またはイノベーションの両方が含まれます。それらは新しい到達目標、新しい方法、新しい製品、新しい市場に導くものです。
(Baldrige Core Values and Conceptsより。翻訳筆者)
最高レベルの組織パフォーマンスを達成するには、体系的なプロセスを介して知識を共有することを含む、組織学習への十分に実績のあるアプローチが必要です。
今日のような厳しい環境においては、複数の業務の教育を受け権限を与えられた働き手と最新の組織知に基づく効果的なマネジメントは、非常に重要な資産です。組織学習には、既存のアプローチの継続的な改善、ベストプラクティスや新しいやり方の採用、大幅な非連続的な変更、あるいは、イノベーションが含まれ、新しい到達目標、新しい方法、新しい製品、および新しい市場につながります。
学習は、組織の運営方法に組み込まれていることが必要です。
これは、学習が、(1)日常の業務そのものの一部であり、(2)問題をその原因(根本原因)で解決し、(3)組織全体での知識の構築や共有に重点を置き、(4)重要な意味のある変化がもたらされ、革新する機会をとらえて推進されていることを意味します。
学習の出発点には、働き手やボランティアのアイデア、研究開発、顧客の意見、ベストプラクティスの共有、競合組織のパフォーマンス、ベンチマーキングなどがあります。あなたが属するエコシステムも、学習の出発点の一つです。
組織学習を通して得られる結果には、
(1)新規や改善された製品や顧客サービスを通じた顧客への価値の向上
(2)新しいビジネス機会の開発
(3)新しく改善されたプロセスやビジネスモデルの開発
(4)エラー、不良、ムダ、および関連コストの削減
(5)経営資源すべての利用における生産性と有効性の向上
(6)社会貢献を行う際のパフォーマンスの向上
(7)変化や混乱への取り組みにおける俊敏性の向上
があります。
★★
筆者らGQFが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?