パフォーマンスを測る
パフォーマンスの向上と変革の管理(change management)において考慮しなければならない点は、パフォーマンスを測るための評価尺度・指標の選択および使用です。
パフォーマンス(PERFORMANCE)
業績の予測、標準、過去の結果、到達目標、および他の組織の結果に対して、組織がそれ自身の結果を評価し比較することを可能にする、プロセス、製品、および顧客から得られる出力(output)とその成果(outcome)。
(Baldrige Key Terms より。翻訳筆者)
パフォーマンスは、財務的なもののほか、非財務的なものも対象です。
ボルドリッジでは、4つのタイプのパフォーマンスを取り上げています。
(1)製品・サービスのパフォーマンス
(2)顧客に関するパフォーマンス
(3)業務運用のパフォーマンス
(4)財務と市場のパフォーマンス
(1)製品・サービスのパフォーマンス
製品・サービスのパフォーマンスとは、顧客にとって重要な製品とサービスの特性に関する評価尺度と指標で示されるパフォーマンスです。
例としては、
・製品の信頼性
・納期の遵守状況
・顧客が経験した不良率
・サービス応答時間
などが挙げられます。
(2)顧客に関するパフォーマンス
顧客に関するパフォーマンスとは、顧客の認識、反応、および行動に関する評価尺度と指標で示されるパフォーマンスです。
例としては、
・顧客維持率
・苦情
・顧客調査の結果
などが挙げられます。
(3)業務運用のパフォーマンス
業務運用のパフォーマンスとは、有効性、効率性、および説明責任に関する評価尺度と指標で示される、働き手、リーダー、および組織のパフォーマンスです。
例としては、
・サイクルタイム
・生産性
・廃棄物の削減
・働き手の離職率
・法規制遵守
・戦略の達成状況
・地域社会への貢献
などが挙げられます。
業務運用のパフォーマンスは、業務単位レベル、主要な業務プロセスレベル、組織レベルなどのレベルで測定されます。
(4)財務と市場のパフォーマンス
財務および市場のパフォーマンスは、資産の活用、資産の増加、および市場シェアを含む、コスト、収益、市場における地位に関する評価尺度で示されるパフォーマンスです。
例としては、
・投資収益率
・働き手一人あたりの付加価値
・負債資本比率
・総資産利益率
・営業利益率
・予算に対する実績
・積み立て準備金の金額
・現金回収のサイクルタイム
・その他の収益性と流動性に関する評価尺度
・市場シェア
などが挙げられます。
事実に基づくマネジメントは、組織の内部および競合環境の両方で、組織のパフォーマンスを測定し分析することを求めます。
事実に基づく経営(Management by Fact )
事実に基づく経営には、組織内および競合環境の両方で、組織のパフォーマンスを測定および分析する必要があります。パフォーマンス測定と指標の分析は、組織の評価、調整、および意思決定をサポートする必要があります。
(ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】より)
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。
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