質問それ自体が顧客エンゲージメントのレベルを示します
顧客エンゲージメントを測定するツールの一つとして、ギャラップ社のCE11を紹介しました。がよく知られています。
CE11は、顧客ロイヤルティに関する3つの質問(L3)とその後に続くエンゲージメントに関する8つの質問(A8)と合わせて、全部で11の質問で構成されています。
最初の3つの質問(L3)は、全体として、顧客の”態度に現れるロイヤルティ”を測る総合的な尺度となっています。
顧客のロイヤルティを測る3つの質問(L3)
質問1 全般的に、あなたはどのくらい[ブランド]に満足していますか?
質問2 [ブランド]を選択/再購入し続ける可能性はどのくらいありますか?
質問3 友達や同僚に[ブランド]を勧める可能性はどのくらいありますか?
顧客は満足しているか、その結果、再購入やほかの人への推薦につながるかを確認しています。
ただ、十分な満足は再購入を約束するものではありません。また、再購入の可能性に高い値を示していても、結局買わないこともあります。口コミも確実ではありません。
再購入や口コミ・推薦の確度を挙げるには、それに続く8つの指標の評価が重要になってきます。
8つの指標(A8)は、4つの特徴的な心の状態を示したもので、その4つ ・・・信頼、誠意、誇り、情熱・・・は、顧客エンゲージメントに関する4つの基本的な次元を示しています。
「次元」と言ったのは、それらに段階(あるいは順序)があるということであり、それぞれその順番によって築かれるものであり、それかを飛ばして次のレベルに行くことはできない、とされています。
すなわち、信頼、誠意、誇り、情熱、および、それらに関するそれぞれ2つの指標は、顧客エンゲージメントのレベルを示していると言えます。
信頼
・わたしはいつも[ブランド]を信頼しています。
・[ブランド]は常に彼らが約束したことを実現します。
誠意
・[ブランド]はいつも私を公平に扱います。
・問題が発生した場合、私はいつでも[ブランド]を信頼して公正で満足のいく解決に到達することができます。
誇り
・[ブランド]の顧客であることを誇りに思います。
・[ブランド]は常に敬意をもって接してくれます。
情熱
・[ブランド]は私のような人にぴったりの会社です。
・[ブランド]のない世界は想像できません。
(ギャラップ「常連客」より引用。翻訳筆者)
すなわち、信頼→誠意→誇りがあってはじめて情熱に向かうということを示しています。
こういう背景を以て、ボルドリッジでは、顧客エンゲージメントを次のように説明しています。
顧客エンゲージメント。
ブランドや製品・サービスへの顧客の投資や献身(commitment)。
これは、顧客があなたの製品・サービスを使い続けられるように、顧客のニーズに応え、関係を構築するための継続的な能力が基本となります。エンゲージメントの高い顧客の特徴には、保持、ブランドロイヤルティ、あなたと一緒に事業を行い、事業を拡大しようと努力する意欲、あなたのブランドや製品・サービスを進んで支持し推奨する意欲などがあります。
(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークより引用。翻訳筆者)
★★
ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。