労務
「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。
内部統制評価基準の8つのカテゴリーの8つ目は
8.法務・コンプライアンス
です。
労務管理に関する法令への対応について確認します。
8.(7)労務
労務管理において,コンプライアンスの観点から体制整備の必要があることを理解していますか。
労務管理に関連する法律は、労働法と呼ばれています。「労働法」という名前がついた一つの法律があるわけではなく、労働問題に関する多くの法律をひとまとめにして「労働法」と呼んでいます。
主なものとしては、労働三法とも呼ばれる労働基準法、労働組合法、労働関係調整法を基準として、働く人の安全面・健康面に関わる労働安全衛生法、働き方に関わる男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、最低賃金法など、労働保険に関わる労災保険法や雇用保険法など、様々な方面の法令があります。
労働法を背景として、労働条件が定められ、職場環境が整備され、働きやすい環境づくりが行われます。
主なポイントとして、
・雇用契約書の締結及び労働条件通知書の交付が適切になされていること
・就業規則を作成し、労働者に周知していること
・労働者の労働時間や有給休暇の取得について、適切に管理する体制が確立されていること
・残業代が適切に支払われていること
・管理職についても過重労働にならないよう適切に管理がなされていること
・労働保険及び社会保険について、非常勤の労働者も含めて、適切に加入がなされていること
・職場の安全衛生について、衛生管理者及び産業医の選任、衛生委員会の設置、年1回の定期健康診断やストレスチェックなど、法令に基づき必要な措置が実施されていること
・従業員の出産・育児・介護について、休業制度の整備など、法令に基づく措置がとられていること
・解雇や退職勧奨、労働条件の切り下げなど、労働基準法を踏まえて慎重な対応がなされていること
などが挙げられます。
社会の要請や働き方の変化に対応して法令も改正されており、労務関連の法改正等に適切に対応できる体制づくりが求められています。
(参考:「労働基準情報:労働基準に関する法制度」(厚生労働省))
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内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。
ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。