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不祥事対応

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの8つ目は
8.法務・コンプライアンス
です。

 苦情対応、不祥事対応の体制について確認します。

⒏(6)苦情処理/不祥事対応
 コンプライアンス体制の一環として,苦情処理体制・不祥事対応体制が必要であることを認識していますか。

不祥事対応

 企業の不祥事は、最初はグレーなところから発生します。業界の古くからの慣習であったり、効率化のために手順を少し変えて見たりしたことが、実は法令違反であったが、それに気がつかないまま業務を行っていて、突然、第三者などの指摘によって発覚するというケースもよく報告されています。
 指摘は例えば、外部の監査であったり、新しく入ってきたメンバーであったりします。

 内部のメンバーの場合は、それはおかしいのではないかと疑問に感じた時に、それを相談できる相手、あるいは、組織などがあって、そうしたことを自由に発言できる企業風土と仕組みを整備しておくことが大切です。

 おかしいのではないかと気づく基盤は組織の倫理原則です。それが企業風土を作ります。

 組織の倫理原則は、組織文化と価値観の基盤です。それは正しいか間違っているかを見分けます。明確に表現された倫理原則は、組織の価値観とともに、人々が効果的な意思決定をすることに力を与え、組織の規範と禁止事項を決定するための境界条件として機能します。
ボルドリッジ「核となる価値観と概念」倫理と透明性より引用)

 不祥事対応の仕組みとしては、不祥事故発生時に上席やコンプライアンス責任者に適切に報告される体制を確立すること、また、内部通報の窓口を別に設けるなどによって内部通報者を保護することが求められます。

 不祥事の発生は、セキュリティ事故など緊急の対応が必要なものもあり、事故発生時には迅速に上席やコンプライアンス責任者に報告されるように、日頃から周知しておくことも重要です。

 不祥事故発生時に事実関係等の調査を踏まえて適切な措置をとる体制を確立すること、不祥事発生時に相談できる外部専門家を明確にしておくこと、深刻な不祥事については、第三者委員会による徹底検証が実行される体制を確立しておくことなど、体制を整備します。

 不祥事は対策が終了したら終わりとするのでなく、不祥事から得た教訓をフィードバックする形で、社内体制の見直し・改善に結びつけることが望まれます。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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