レジリエンス(Resilience)

最近、レジリエンスという言葉をよく見かけるようになりました。ウィズコロナ、アフターコロナの世界で必要なのはレジリエンスであるということがよく言われています。

まだ決まった訳語があるわけではなく、あるいは、非常に広い概念で日本語で一言に集約できないためか、新聞でもカッコつきで(回復力)(耐性)などと後付けされていたり、「危機対応力」とか「新しいリスクへの抵抗力」などと前置きされていたりします。
(例えば、日経新聞のサイトで「レジリエンス」を検索。)

私が長年「追っかけ」をやっている米国の「ボリドリッジ(Baldrige Performance Excellence Program)」でも年に2度開かれる大きな大会のひとつ「ボルドリッジ秋季大会」は、「レジリエンス俊敏性イノベーション(Resilience, agility, and innovation)」をテーマとして開かれることになりました。

レジリエンス俊敏性、そしてイノベーションの3つが、この時代の経営に必要なものとの意味です。

ボルドリッジでは、主要な用語は、主要用語集に定義して共通の認識の上で使用されるのですが、レジリエンス(Resilience)はまだ主要用語集にありません。

ボルドリッジは最近のブログで、「ニューノーマルにおけるたった一つの非常に重要な変化は、すべての組織にとってレジリエンスに焦点を当てることの必要性である」と前置きし、次のように仮に定義しています。

組織のレジリエンス(Organizational resilience):
(1)予想される危険に備え、(2)従業員と顧客のエンゲージメント、サプライチェーンと財務の成果、組織の生産性、および地域社会の幸福を、護り、予測し、強化するために、様々な面で行動すること。
組織のレジリエンスは、組織のDNAに俊敏性を組み込む在り方です。
(出典:The New Normal Will Require RE2ST3, Harry Hertz, July 16, 2020

さらに次のように続けます。

このようなレジリエンスを実現するには、リーダーは機会と脅威の両方に迅速に対応し(俊敏性)、変化する状況に戦略を適応させ(核となるビジネスモデルと製品を含む)、信頼の文化を備えた堅牢なガバナンスを備えている必要があります。 さらに、エコシステムの考え方を採用し、データが豊富な思考プロセスを採用し、従業員に新しいスキルの継続的な学習を提供することが重要です。(同)

日本が最も苦手としている「俊敏性」が、ここで問われています。

コロナの影響で、今年のボリドリッジの春の大会(クエスト会議)は一年延期されましたが、秋季大会はオンライン主体で開催されることになりました。日本から参加が容易になったことはうれしいことです。
レジリエンス俊敏性、そしてイノベーションについて、どのような話し合いが行われるのか、楽しみです。

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