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いま取り組むべき重要な問題は(1)

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 ボルドリッジは、2年ごとに改訂され、時代にあったものに進化しています。最新の2021-2022版では、特に重要なテーマとして、次のことをフレームワークに織り込んでいます。

・イノベーション
・レジリエンス(回復力)
・デジタル経済と第4次産業革命
・サイバーセキュリティ
・社会的責任とグローバルな持続可能性
・多様性、公平性、包括性

 具体的には、例えば、イノベーションレジリエンスデジタル経済と第4次産業革命は、2021-2022版ボルドリッジ審査基準で次のように扱っています。

イノベーション 
 ボルドリッジ審査基準は、次の問いかけによって、組織のイノベーションを最大化するように導きます。
・ リーダーはインテリジェントリスクを取ることおよびイノベーションをどのように組織の文化として育成しているか。
・ イノベーションを戦略計画立案にどのように組み込むか。
・ イノベーションの優先順位をどのように開発し、イノベーションで使用する情報を共有するか。
・ インテリジェントなリスクを取る際に従業員をどのようにサポートするか。
・ イノベーションの機会を追求するかどうかをどのように管理し、リソースを提供し、最終的に決定するか。

レジリエンス
 組織のレジリエンス(回復力)とは、混乱を予測し、準備し、回復し、混乱が発生したときに運用のあらゆる側面を保護および強化する能力です。
 審査基準のシステムアプローチは、組織、従業員、顧客、および利害関係者の変化するニーズを含む、組織全体を理解するのに役立つことにより、回復力の準備をします。
 具体的な質問は、次のことを尋ねます。
・リーダーがどのように意図的にレジリエンスを育成するか。
・戦略計画ではレジリエンスの必要性をどのように扱っているか。
・従業員の組織化と管理におけるレジリエンスをどのように強化するか。
・サプライネットワークのレジリエンスをどのように確保するか。
・リスク、予防、保護、対応、および復旧を考慮して、災害、緊急事態、およびその他の混乱が発生した場合に、ビジネスの継続性と組織の回復力をどのように確保するか。

デジタル経済と第4次産業革命
 デジタル化とデータ分析の使用、モノのインターネット、人工知能、クラウドオペレーション、大規模なデータセット対応のビジネスとプロセスモデリング、強化された自動化、およびその他の「スマート」テクノロジーが急速に加速しています。
 ボルドリッジ審査基準では、次のことを尋ねます。
・リーダーが技術革新の必要性をどのように考慮しているか
・戦略計画では進化するテクノロジーをどのように考慮しているか
・テクノロジーの変化に対して従業員をどのように準備しているか
・新しいテクノロジーを組織にどのように組み込むか
 ボルドリッジ審査基準はまた、次の点を強調しています。
・破壊的技術が発生した場合の俊敏性の必要性
・顧客プロセスでのデジタルおよびWebベースの技術の使用
・パフォーマンス分析とナレッジマネジメントでのデジタルデータ分析と人工知能の活用

 サイバーセキュリティ、社会的責任とグローバルな持続可能性、多様性、公平性、包括性については、次で見て行きます。

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 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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