7.環境変化に合わせたイノベーションの実現
「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。
内部統制評価基準の8つのカテゴリーの7つ目は
7.環境変化に合わせたイノベーションの実現
です。
カテゴリー7.環境変化に合わせたイノベーションの実現は、次の10個の項目で構成されています。
7.(1)環境変化の適切な認識・共有・対応
7.(2)イノベーションの定義
7.(3)顧客・社会価値向上のためにイノベーションを起こすことの理解
7.(4)組織内の知を全て結集する仕組み
7.(5)イノベーティブ人財の教育・育成
7.(6)外部の知を結集するためのオープンイノベーション
7.(7)ベストプラクティスとしてのイノベーション
7.(8)最先端技術・ICTの活用・融合
7.(9)イノベーションに関わる諸活動の評価・改善
7.(10)イノベーティブ人財のモチベーションの向上
イノベーションは特別な個人が起こすのではなく、環境の変化から新たな社会のニーズを捉えることによって組織としてイノベーションを起こすことができます。またそれは大企業に限るものではなく、中堅・中小企業にも可 能です。
勝ち抜く会社となるために、イノベーションは重要な役割を果たします。
これを上述の10の項目に分けて、確認します。
これらの項目はそれぞれに質問があります。その質問が、内部統制の要求事項になります。
「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」では別々のページに離れて記載されている項目およびその質問を一覧してみます。
7.環境変化に合わせたイノベーションの実現
7.(1)環境変化の適切な認識・共有・対応
組織は経営環境の変化を適切に認識・共有・対応する仕組みを構築していますか。
7.(2)イノベーションの定義
技術、プロダクト、プロセス、ビジネスモデル等のイノベーションとは何かを適切に理解していますか。
7.(3)顧客・社会価値向上のためにイノベーションを起こすことの理解
顧客・社会価値の向上のためにイノベーションを起こすことの重要性についての理解は、経営者から職員に至るまで十分に浸透していますか。
7.(4)組織内の知を全て結集する仕組み
イノベーションは特定の人や部門が行うものではなく、組織のすべての知の結集が必要なことを理解していますか。
7.(5)イノベーティブ人財の教育・育成
イノベーティブ人財の教育・育成の仕組みを構築・運用していますか。
7.(6)外部の知を結集するためのオープンイノベーション
イノベーションを起こすためには、組織内部のみではなく外部の知を結集することが必要であることを認識していますか。
7.(7)ベストプラクティスとしてのイノベーション
イノベーションを起こすためには、他業界・同業他社等の成功事例が参考になることを理解していますか。
7.(8)最先端技術・ICTの活用・融合
最先端技術・ICTの活用・融合によって、イノベーションが起こること(DX:デジタル・トランスフォーメーション)を理解していますか。
7.(9)イノベーションに関わる諸活動の評価・改善
イノベーションに係るヒト・モノ・カネ・情報・知・環境等の諸活動を適切に評価・改善していますか。
7.(10)イノベーティブ人財のモチベーションの向上
イノベーションに係る職員は、その働きを正当に評価され、その結果が給与、昇進、報奨に適切に反映される仕組みとなっていますか。
(「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」より引用。)
「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」では、それぞれの質問(要求事項)に、10のポイントが示されており、それをチェックする仕組みです。
10のポイントは、「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を見ていただくとして、このノートでは、それぞれの質問の意味するところ(要求事項)を、ボルドリッジの視点から確認していきます。
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内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。
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ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。
筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。
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