【ネジ巻き輪舞曲】第1章: 出会いのない時間、変えたい私の愛
「ああ、もうダメ。今日も遅刻しちゃうわ」
私はいつも通り、朝食を急いで食べて家を飛び出した。今日も地下鉄が混雑していて、駅員のおばさんに怒られた。蒸し暑い朝、私は通勤のストレスに悩まされながら会社に向かっていた。
「おはようございます!」
同僚の声が響く中、私は机に荷物を置いた。パソコンの電源を入れて、仕事の準備を始めた。
「美咲、昨日の打ち合わせの報告書、まだでしょう?」
上司の声に急かされ、私は慌てて手元の書類を探す。どこに置いたか忘れてしまったようだ。
「あ、ごめんなさい。ちょっと探して持ってきます」
「いいから急いでくれ」
上司に睨まれながら、私は机の引き出しを開けたり閉めたりして探した。やっと見つけた書類を手に、私は恐る恐る上司のところに戻った。
「これでしょうか?」
上司に報告書を渡すと、彼は少し満足そうな表情を浮かべた。
「おお、やるじゃないか。美咲、最近調子いいね」
上司の褒め言葉に、私はほっとした。でも、こんな何気ない毎日に疑問を感じることがあった。私がここにいる理由は何だろう。こんな生活がずっと続くのかな。
「美咲、午後からは別の部署にサポートに行くことになった。頼むよ」
上司の声に呼び戻され、私はまた仕事に没頭することになった。こんな生活に疑問を抱きながらも、私は今日も普通に過ごすことになる。
午後、私は新しい部署に配属された。今日はその部署の先輩社員が休暇を取っていたため、私は代わりにその社員の仕事を引き継ぐことになった。
「こんにちは、美咲さんですね。私は松本といいます。よろしくお願いします」
新しい部署での挨拶を済ませると、松本さんは私に今日の仕事の説明を始めた。
「今日はこの書類を整理する作業があるんだ。簡単な作業だけど、時間がかかるから早めに始めよう」
松本さんが渡した書類を眺めながら、私はその量に少し圧倒された。でも、頑張ってこなせばなんとかなるだろう。
「分からないことがあったら、遠慮なく聞いてね」
松本さんは優しく微笑んで言った。私は彼女の言葉に安心して、書類整理に取り掛かった。
時間が経ち、私は気がつくと周りの社員たちは帰っていった。松本さんも帰ろうとしている様子だった。
「松本さん、すみません。私、まだ終わっていなくて…」
私は恐縮しながら謝った。でも、松本さんは優しく微笑んで言った。
「いいよ。残業する人がいないところで、私も仕事を進められるから。でも、もう少しで終わるでしょ?頑張って」
私は松本さんの言葉に救われ、必死に書類整理を進めた。やっとのことで仕事が終わったとき、私はふと時計を見た。
「あれ?もうこんな時間?」
気づけば、私は部署の中で一人だけになってしまっていた。
「あ、松本さんもう帰っちゃったんだ」
私はぼんやりとした気持ちで、自分の荷物をまとめて帰ろうとした。でも、そのとき何かに気づいた。私が机の上に置いていたメモ帳がない。
「あれ、メモ帳どこに行ったかな?」
机の周りを探しても見つからず、私はどうしようもなくなってしまった。
「ああ、やっぱり私、今日も抜けているわ」
少し凹んだ気持ちで、私は部署を出てエレベーターに乗った。暗いエレベーターの中、私は自分の失敗について考え込んでいた。何度も同じミスを繰り返している自分が情けなく感じられた。
エレベーターの扉が開くと、私はふと目を上げた。そこには、大きな看板が掲げられていた。最新の映画のポスターだった。
「時空研究所」
私はその看板を見て、ふと考えた。もし自分が過去や未来に行くことができたら、自分の人生はもっと変わるかもしれない。そう考えると、今の自分の生活に対する不満がより一層増していた。
しかし、そんなことを考えている自分にも疑問がわいた。本当に過去や未来に行けたとして、それが自分にとって良いことなのか、本当に自分が望んでいることなのか。私は考え込んでしまった。
美咲は友達たちと女子会を行うことになった。彼女たちは、美味しいご飯やお酒を楽しんだり、恋愛の話をしたりしていた。
美咲は、友達たちの話を聞いているうちに、自分がまだ彼氏がいないことに気づいた。友達たちは、みんな彼氏がいるか、彼氏がいないとしても恋愛に積極的に取り組んでいるようだった。
「あのさ、みんな結婚するとしたらどんな指輪が欲しいと思う?」
友達のひとりが、薬指に指輪をつけていた。彼女たちは、指輪のデザインについて意見を言い合い始めた。
「私は、シンプルなデザインが好きかな。ダイヤモンドもいいけど、あまり大きすぎると派手になっちゃうから」
「私は、少し個性的なデザインがいいな。こんなのどうかしら?」
友達たちが話しているうちに、美咲は自分が彼氏がいないことについて、少し悲しくなってしまった。
「私は…まだ彼氏すらいないんだよね」
美咲がつぶやくと、友達たちは驚いたような表情を浮かべた。
「え、マジで?そんなに可愛いのに?」
「もったいないわね、もっともっと楽しんで恋愛しなきゃ」
友達たちの言葉に、美咲は自分がまだ彼氏がいないことに少し寂しさを感じた。彼女たちは、美咲にアドバイスをし始めた。
「私たちが付き合った時の話を聞かせるわね」
「それで、こんな感じで告白されたんだよね」
友達たちが、恋愛にまつわるエピソードを話してくれた。美咲は、友達たちの話を聞きながら、自分がまだ出会いがないことに悩んでいた。
「でも、私ってこんなにいい人いないのかな…」
美咲は少し自信を失っていた。友達たちが楽しそうに話す中、彼女は淡々と話を聞いていた。
しかし、友達たちが恋愛についてのアドバイスを始めた時、美咲は自分が今まで恋愛に消極的だったことに気づいた。彼女は、自分の人生を変えたいと思った。
「ありがとう、みんな。私、もっと積極的になってみるよ」
美咲は笑顔で言った。彼女は、友達たちと過ごした時間を大切に思い、自分自身を変える決意をしたのだった。