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【ラブコイン】第8章 行方

決意を固めた私は、残りの30ラブコインを使うことにした。すべてのラブコインを「高橋蒼」に送信することで、エルに私の想いを伝える最後のチャンスだった。

送信ボタンを押した後、エルとの次の出会いで結果が分かるだろうと期待と不安が交差する気持ちで待ち続けた。

ある日、エルが私に向かって笑顔で話しかけてきた。「百合子、最近なんだか君が特別に見えるんだ。一緒に過ごしたいって思うようになったよ。」

私は驚いてエルを見つめた。まさか本当にラブコインが効いたのだろうか。しかし、幸せなはずのその瞬間、私は突然、何も感じられなくなっていた。

30ラブコインを使い果たしてしまった私は、もう人を愛することができなくなっていたのだ。エルが優しく私に接しても、私はただ無表情で彼を見つめることしかできなかった。

やがてエルは、私が彼を愛せないことに気づき、「百合子、僕たち、どうかなってるんじゃないか?」と深い悲しみを込めて問いかけた。私も自分の心が無くなってしまったことを悔い、「エル、ごめんなさい。私、もう愛を感じることができないんだ」と無力感に打ちひしがれながら告げた。

私は愛を感じる力がなくなってしまったことを受け入れ、それでもエルと一緒に過ごそうとする決意を固めた。けれど、私たちの関係は次第にギクシャクしていった。エルは一生懸命に私に接してくれるが、私は何も感じられないまま、ただ彼を見つめることしかできなかった。

そんな中、私は次第に蛙化現象を味わうようになる。エルの存在が突然遠く感じられるようになり、彼と一緒にいることが苦痛となってしまった。それでも私は、美咲のためにも、エルのためにも、必死に我慢しようとした。

しかし、ある日、私はとうとう耐え切れなくなり、エルの前から姿を消すことを決心した。私はエルに最後のメッセージを残し、彼に別れを告げた。

「エル、ごめんなさい。私、もう愛を感じることができない。だから、君と一緒にいるのは苦痛になってしまったんだ。美咲が私たちを応援してくれていたことは忘れないけど、私たちはここでお別れだね。君の幸せを願ってる。さようなら。」

私は涙を流しながらメッセージを送信し、エルとの関係に終止符を打った。美咲の願いを叶えられず、最後には自分の愛を失ってしまった私だったが、エルがこれから幸せになることを願って、彼の前から去っていった。

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