社長と恋とバターチキンカレー PART①
CEOエッセイ
~淡い恋の思い出編~
うちのCEO、目﨑は文筆業もこなします。(2011年には「幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言」(出版社:アスペクト)を上梓)
そんな彼が、社内SNSに投稿したエッセイが、思いの他評判が良く、社外向けにも再掲することにいたしました。
CEOのキャラクター、そのおかげで生まれる自由でフラットな社風が伝わること間違いなし!
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「モティに行きたいの」
当時付き合っていたT子が、突然言い出した。
モティとは、六本木にある老舗のインド料理屋だ。
まだ学生だった僕は、インド料理をほとんど食べたこともなく、ましてやモティなどには行ったこともなかった。
「美味しいバターチキンがあるのよ」
バターチキン?
僕の頭に浮かんだのは、鳥のもも肉がバターにどっぷり浸かっている映像だった。
モティの店内は、インドの王宮を連想させる東洋神秘的な雰囲気だったが、当時僕はまだインドに行ったことが無かったので、あくまでイメージの世界である。
「私は、バターチキンとプレーンのナン」
メニューも見ずに、T子はインド人の店員に告げた。
基本的にあまのじゃくの僕は、バターチキンだけは注文したくなかった。
「じゃあ、僕は、サグチキンとライス」
ほうれん草のカレーのようだったが、バターチキン以外なら何でもよかった。
「ここの店は、バターチキンが一番美味しいのに・・・」
残念そうな顔をするT子をしり目に、僕にはちょっとした目論見があった。
『見てろよ、そんなに力説するバターチキンよりも、俺の頼んだほうが美味しかったと証明してやるよ』
つづく
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