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ボンネット(アルミパネル)のデントリペア



フード(アルミ)、8センチの凹みになります。




フードをしめる際に手で押したんですかね〜。

でもアルミパネルですしアールが付いている場所なんで、簡単には凹みそうにないですけどね。



写真ではわかりづらいですが、グレーの部分が凹みの影響で盛り上がっています。

盛り上がっているということはそれなりに強い凹みです。



ということでとりあえず、やはりリスクの少ない裏から押し出す方法を選択したくなります。



ホールはありましたけれども、この細さのツールしか入りませんね。

凹みには触れますがイマイチ押し出しきれません(さすがアルミパネル😅)



プーリングでの引き出しに切り替えます。


アルミパネルは硬いからな〜と思いつつ、スライドハンマーで引き出したらガッツリくっついているようで手応えアリ。


この感じならイケそうだなと。

引き出した長い突起状の部分をポンチングしつつ更に引き出していきます。



タブをつけた写真ばかりですが

タブをつけて引くとこのような状態になります。
   ↓

このような長い突起状


クリースタブという細長いタブを使用しているので、長い突起状に引きだされます。

この突起をポンチでならしてまた引き出す、を繰り返します。

凹みもその都度、形状が変わっていくのでそれに合わせてタブも変えます。

それが先ほどのタブの連続写真です。



実際の流れとしては


凹みの形状に合ったタブを選択し引き出す
    ↓
突起状に引き出される
    ↓
突起をポンチングする
    ↓
うっすら凹む(最初の凹みよりは浅くなっている)
    ↓
凹みの形状に合ったタブを選択し引き出す
    ↓
突起状に引き出される
    ↓
突起をポンチングする
    ↓
うっすら凹む(先ほどの浅くなった凹みより更に浅くなる)
    ↓
凹みの形状に合ったタブを選択し引き出す
    ↓
突起をポンチングする


このような流れです


今回の凹みは細長いというか、長方形の凹みでしたので

はじめは長くて幅のあるクリースタブから引き出しますが、徐々に細いクリースタブや小さいクリースタブを使用したりします。

凹みはだいたい出きって、あとは細かい部分の調整になってきます。

細かい部分はピンポイントで引き出せるタブを使用します。

そして最終的には全体のバランスを取ります。


引き出す過程で凹みは変化していき、その時々で使用するタブも変わってきますのでこの順番で引き出すのが正解ってわけでもないですけどね。

そこはやはり経験していって、この凹みの状態ならこの形状、この材質のタブってのがわかってくると思います。

自分もはじめの頃は、引いてポンチングしてを繰り返してもなかなか収拾つきませんでしたがやってるうち形になるようになってきましたね。


ちなみに、練習するとしたら小さい凹みからやるのがオススメです。

大きな凹みを完璧に、と意気込んでも難しくて挫折してしまうと思いますので小さい凹みから少しづつステップアップして行く方がモチベーションも続くかなと。



そしてガッチリと引き出すためには、タブをパネルにしっかりと接着させることが重要です。


やり方としては

1.パネルとタブの脱脂(シリコンオフやアルコールを使用)。

2.パネルとタブを温める(ドライヤーやヒートガンなどを使用)。
  パネルの温度は30℃以上。温度を計測できない場合は手で触って確認。パネル   を触って温かいなと感じるくらいでも大丈夫です。

4.タブにグルーを塗布しパネルにしっかりと接着させる。

3.グルーが固まるまで待つ。
   自然乾燥でもいいし、冷却スプレーを使用してもいい。(冷却スプレーをタブに かけすぎると、引き出す際にタブを割る原因になるかも)

一概にはいえませんが、だいたいのグルーはガッチリ固まる寸前の少し弾力があるあたりが引き出す力が強いと感じます。



今回使用したグルーはメガパワー。



たいていのグルーは引き出し後、パネルやタブから剥がす際にアルコールを使用しますが、このメガパワーはアルコールなしで剥がせるグルーなので作業性が良いです。

とはいえ剥がしづらい時もありますので結局アルコールを使用したりもしますけどね😅



剥がす際にアルコールを必要とするグルーは接着力が強いので引き出す力もありますが、強すぎるがゆえに塗膜が剥がれてしまうリスクもあります。

メガパワーはめちゃくちゃ接着力があるって訳ではないですが引き出す力はそれなりにあるという、剥がしやすく効率が良いグルーです。

ですので、今回のアルミパネルに対しては「どうかな〜、メガパワーで引き出せるかな〜」と思ってましたが大丈夫しっかりと引き出せましたね。



あっ、完成





使用したツール

スライドハンマー、ブレンディングハンマー、ポンチ、タブ、グルーガン、冷却スプレー、ハンドツール



プーリングで最後まで仕上げることもできましたが、ツール(鉄の棒)でも凹みに触れてそっちの方が早そうでしたので最後はツールで仕上げました。

最初の凹みの状態ですと、あの細いツールでは押し出しきれませんでしたが
あらかたプーリングで引き出した後での最後の一押しはイケました。

プーリング9.5割のツール(鉄の棒)0.5割って感じです。

しつこいですがプーリングのみでも完結できましたよ。





今回はボンネット(アルミパネル)のデントリペアでした。

アルミパネルでもプーリングでしっかりと引き出し切れるんだなと実感しました。
(とはいえスチールもですが、全ての凹みを出し切れるというわけではありません。鋭く芯が強い凹みは引き出し切れないです)



僕はどちらかというとツール(鉄の棒)で押し出した方が、仕上がりもいいですし

失敗するリスク(プーリングですと塗膜の剥がれとか)も少ないと思っています。


ですが今回のようにツール(鉄の棒)では太刀打ちできない場合はプーリングが活

躍しますので対応できるようにしておくことが大事ですね。


以上、ありがとうございました。

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