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GPR(グループルリペア)です。


今回は車のクォーターパネルをグルーで鈑金します。

GPR(グループルリペア)とはグルーを使って引き出す修理です。

リアドアとクォーターが「段違い」になってしまってますね。
従来ですとハンダかスタッドですがこれをグルーで引き出します。


一番入っている部分を「KECO」というGPRメーカーのタブとアダプターを使って引き出します。



ちなみにこの時のタブのつけ方はこんな感じです。

塗装後に撮った写真

一番引きたい硬い角にタブのセンターを合わせています。

ボディとタブに隙間が開いてしまう部分がありますが
そこにグルーを追加します。

僕はホットプレートにグルーを溶かして使ってますので
金属などのヘラですくって塗りつけます。
グルーガンがあれば直接隙間にグルーを足しても良いと思います。

この写真は以前に撮ったものなので今回使ったタブとは違います。


ついでなのでタブの話も少し

これは「KECO」の「センチピード」という種類のタブです。

左から
・ブルー フレキシブル クリース タブ
・アイス フレキシブル クリース タブ
・ブルー リジット クリース タブ
・アイス リジット クリース タブ

まず1番目に書いてあるブルーやアイスというのは材質。

ブルーは柔らかく、アイスは硬いです。

そして2番目に書いてあるフレキシブルやリジットというのは形状ですかね。

 フレキシブルは曲がります。
凹みにそってつけることができます。

リジットは曲がりません。
ガッチリ引き出したい時に使います。

で、この写真の左のタブから右のタブにかけて引張強度が上がります。

自分の経験上
アイスの方がヒビが入ったり割れたりすることがあります。
硬い材質だからかなと。


今回の鈑金の話に戻ります

クォーターの「だんち」の部分はかなり強く引き出す必要がありましたのでタブは「リジット」を使いました。
「フレキシブル」だと引き出しきれなかったと思います。

で、あとは低い部分を引いて、高い部分を叩いての繰り返しです。

タブを変えながら引き叩きの繰り返し

完成

あとはパテをつけて塗装屋さんにパスです。


今回のようにグルーのみでの鈑金もできますし

グルーで大まかに粗だしをして
細かい凹みはスタッドで引き出すなどで使っています。


僕が今までGPRをやっていて感じたメリットは

・広い範囲を一気に引ける
・塗膜を剥がさないので歪みを見ながら修理できる
・表から引き出すので裏の部品を外す必要がない(トリムやライニングなど)
・裏に燃えるようなもの(スポンジなど)があっても大丈夫
・ルーフやピラーなど高い作業位置でもタブをつけて引き出すだけなので
 スタッドやハンダに比べて作業性が良い
・アルミパネルにも使える
・サイドシル(ロッカーパネル)のチッピングガードごと引き出せる
・複雑な形状でも形をあまり変形させずに引き出せる
・たいしたことのない凹みなら塗装なしでイケる(かもしれない)


デメリットは

・鋭い(キツい)凹みは出しきれない
・スタッドやハンダに比べて引張強度が弱い
(大きいタブにグルーをたくさんつけて引き出す時は結構強いですけどね)
・グルーが固まるのに時間がかかる
(冷却スプレーやエアーガンを使えば早まります)
・多少の慣れが必要かもしれない
・脱脂したりパネルを温めたり(強く接着させたい時や寒い時)やること結構あ
 るかも 


メリットばかりではなくデメリットもありますが

グルーが活躍する場面をしっかり見極めて使えばかなり重宝します。




以上、ありがとうございました。

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