見出し画像

働きながら大学院で学ぶ

「家庭医としてクリニックで働いていると、academicな活動をしたり、大学院で学ぶことなんか到底できないんじゃないか」。そんな風に考える人もいるかもしれない。もちろん、博士課程大学院生になって大学で働きながら、研究日を使って研究したり学んだりしている人もいる。研究のスペシャリストになるのであれば、少なくともこのキャリアは避けては通れないかもしれない。

ただ、できるだけ家庭医としてクリニックで働いていたいという思いがある人や、ライフプランの中で一定の収入を維持する必要がある人などは、博士課程大学院生に転身するというのは、なかなか手が出しづらいキャリアにあたるかもしれない(外勤があれば収入面は大丈夫なのかもしれないが・・・)。また、研究のスペシャリストにならなくとも、深い生涯学習を続けていきたいというニーズも、おそらく一定程度あるものと思う。そういう人たちにとっては、職場を変えずに社会人大学院生になること、オンライン受講できる大学院を活用することなどは、キャリアを豊かにしていく上での有力な選択肢になりうるものと思う。

自分は北海道家庭医療学センターという施設で家庭医療専門研修と、2年間の指導医養成フェローシップを受け、その後から働きながら大学院で学ぶということをはじめて行った。以下が働きながら学んだリストだ。

Qualification: Master of Public Health, Establishment: 九州大学大学院医学系学府 医療経営・管理学専攻, Period: 04/2013-03/2015
Qualification: Certificate, Establishment: Harvard Medical School, Course: Introduction to Clinical Research Training, Period: 01/2018-07/2018
Qualification: Postgraduate Diploma, Establishment: University of Warwick, Course: Diabetes in Primary Care, Classification: Pass with Distinction, Period: 04/2019-06/2020
Qualification: Master of Family Medicine (working on), Establishment: The University of Edinburgh, Period: 09/2020-

これも綿密に計画されたものというよりも、ある一つの学びがその次の学びに繋がっていったと言う方が正確だ。次の扉を開くのは、いつもその直前の自分である。このシリーズでは、

・なぜそれぞれの場に学びを求めることになったか
・費用はどのように工面したか
・どうやって英語が必要なプログラムに滑り込んで行ったか

といったあたりを記していきたい。「家庭医療の現場から離れず学びたい」というのは家庭医共通の悩みであり願いなのではないかと思う。このシリーズをどこかのどなたかのためにお役立てできればと思っている。



いいなと思ったら応援しよう!