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Goodpatch Anywhere Live!! ver0.1 フルリモートデザインチームの働き方(2)

2020年2月12日に完全オンラインで行われたイベント「Goodpatch Anywhere Live!! ver0.1 フルリモートデザインチームの働き方」。その様子を2回に渡りお届けします。(前回記事はこちら
今回は、実際に案件に携わっているメンバー3人と事業責任者 齋藤の座談会の様子を公開!

登壇してくれた3人は、Anywhereの一番初めの案件メンバーでもあります。Anywhereの創業当初の思いや、ジョインすると決めたきっかけなどを聞いてみました。

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登壇者プロフィール

五ヶ市 壮央 (ごかちん)
札幌からリモートで働くUXデザイナー。2008年からメーカー企業にてUIの詳細設計とUXデザインに従事。2017年、子どもが小学生になるタイミングで地元で暮らすために札幌へUターン。2018年からGoodpatch Anywhereにジョイン。リモートでのUXデザインを実践するためのチームビルディングやファシリテーションを中心に活動している。札幌のスタートアップ「スマートルアー」にも参画中。
佐々木 優子 (ささやん)
東京⇆大阪の2拠点生活で活動するUIデザイナーときどき紙デザイナー。Web制作会社勤務を経て、2011年からフリーランスに。求人メディアやECサイト、アプリなどのデザインを手がける。Goodpatch Anywhereには2018年からジョインし、主にUIデザインとにぎやかし番を担当。趣味は旅行と写真撮影。
白鳥 健治 (とりさん)
都内の制作プロダクションでディレクター/プロデューサーとしてコーポレートサイトの制作やデジタルプロモーションを数多く経験。2014年に沖縄移住。2018年からGoodpatch Anywhereにジョイン。リモート中心に県内外の新規事業やプロダクトのPMから、広告制作のプランニング・ディレクションまで携わる。ビーチサッカークラブのソーマプライア沖縄の運営もお手伝い。
齋藤 恵太 (Keita)
制作会社を経て、2013年にグッドパッチにジョイン。代表的事例はマネーフォワード iOS(2014)やFiNC Technologies のアプリ・サービスデザイン。コミュニケーションを重視し長期的に案件に関わるスタイルで数々の組織の成長を体感、良いプロダクトやサービスを生み出す組織について研究しています。2018年10月よりリモートワークの新規事業 Goodpatch Anywhere を事業担当者として立ち上げ。

司会

吉武春樹(ぱるる)
Goodpatch AnywhereにはPM/UXデザイナーとして参画。
大阪や東京で勤務した後、島根にIターンし、SES合同会社を創業。新規事業の立ち上げやWebディレクションの業務委託を請負っている。


Goodpatch Anywhereメンバーの一日

ーー(吉武)まずはじめに、ある一日のタイムスケジュールを見ながら、登壇者それぞれがどのように生活をしているのか聞いてみたいと思います。

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五ヶ市:私は朝7時くらいに起床し、9時くらいから仕事を始めます。この時間感覚は一般的なサラリーマンの方と似ています。ただ、何が違うのかと言うと、自宅で働いているということですね。
起床後のプライベートの時間には、通勤の代わりに妻を仕事場に送る役割が含まれています。私一人で朝の時間を過ごすことはほとんどありません
始業して午前中の作業をし、12時くらいにお昼をとります。その後また、17時半ごろまで仕事をして、妻を仕事場に迎えにいきます。
そして家族で夕飯を摂り、子どもが寝た後に少しだけSlackを確認してから、妻との時間を過ごします。
私は案件を複数持って、ファシリテーションやワークショップの運営を行うことが多いポジションです。今日持ってきたグラフは、特にミーティングやワークショップが詰まっている日の例で、そこまで詰まっていない時には、合間合間に自分の他のお仕事をすることもあります

齋藤:五ヶ市さんはAnywhereの中でも特殊で、一つの案件にコミットするのではなく、複数の案件を横断的に見るようなポジションで仕事をしてもらっています。ですから、ほぼ一日をAnywhereに使ってもらっていますが、もっと少ないコミット時間の方もいらっしゃいます

ーー続いて、佐々木さんの一日を見てみましょう。

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佐々木:私もだいたい7〜8時に起床し、朝食を摂り、夫を送り出すことから1日が始まります。通勤がなく5秒でデスクに向かうことができるので、9時くらいから仕事を始められます。
案件や時期によってコミットの量は変わりますが、最近は2案件にジョインしており、1日8時間フルでAnywhereにコミットしています。
午前の仕事を終えると簡単に昼食を作り、時間がある時は食後に少しアニメを観たりして、13時ごろからまた仕事を再開します。その後、17時半くらいに買い物やプライベートの用事で外出することが多いです。そこからしばらくは家族の時間を過ごし、夜少しだけ仕事の様子を見て、またプライベートの時間を過ごします。基本的に一日中自宅の中で過ごす生活スタイルです(笑)

齋藤:Anywhereは案件にジョインするときに社員として雇用契約を締結しています。ですので、社員として朝5時から22時までの間で働くという雇用条件の下で働いていただいています。深夜労働や休日労働は原則しないルールを敷いて、なるべくホワイトな人間らしい時間に活動しましょうとメンバーには伝えています。
また、チームの中で朝会(朝が難しい場合は夕会)を一日一回はするように推奨しているので、その時間をすり合わすことは最低限して欲しいと思っています。
現状では、夜中にバリバリ働いてもらうことは難しいというのが正直なところです。ですから、副業で関わっていただく場合も、本業の時間を少し短くしていただいたり、昼間にミーティングが入っても大丈夫なように調整いただける方の方がジョインしやすいかと思います。

ーー白鳥さんはいかがでしょうか。

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白鳥:私の場合は現状、月の半分をAnywhere、残りの半分を別のところで仕事をしています。1日で考えると、Anywhereとそれ以外で4時間ずつ時間を割り振っている感じです。
毎日、大体8時くらいから稼働するため、8時〜19時くらいまでには仕事を終えて、あとはプライベートの時間に当てることが多いです。
仕事は基本的には自宅で行なっていますが、シェアオフィスも借りているので、気分によってはそこでやることもあります。

齋藤:Anywhereらしいエピソードだなと思うのですが、五ヶ市さんと白鳥さんがそれぞれ北海道と沖縄に住んでいるので、Zoomで会議をしていると気温差が20度以上ある時もありましたね。天気の話題が全く噛み合わなかったり、日没の時間が全然違ったりして(笑)。地震が起こっても、当然住んでいる場所がそれぞれ違うので、感じる人と感じない人がいて。「一緒にいるような気がしていても、地域が違うんだな」とそういうことで実感します。


応募のきっかけ

ーーでは、皆さんがGoodpatch Anywhereに興味を持ったきっかけは何なのでしょうか。

佐々木:Goodpatch自体は知っていました。いい会社だなと思っていたので、情報をチェックはしていたのですが、私は2拠点生活なので会社に所属することができなかったんです。
そんな時、Anywhereが立ち上がるという情報を見て、「Goodpatchがフルリモート組織を作るんだ!」と、ものの数十分でエントリーしました。確か情報解禁の初日だったと思います。

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Goodpatch Anywhere:佐々木

齋藤:最初にAnywhereを立ち上げるという情報を出した時、決して大々的に情報を打ち上げたわけではなく、LPを公開し、Wantedlyに募集を出しただけでした。それでも半年で数百人の応募をいただけたことで、リモートでできる仕事は求められているんだなという実感を得ることができました。

五ヶ市:私のいる札幌は、LPを作ったり、バナーを作ったりと、手を動かして物を作るデザイナーさんが活躍するケースが多いんです。その中で、UXデザイナーが活躍するお仕事はまだまだ少ない。私はもともと東京のメーカーでUXデザインをやっていたのですが、札幌に戻ってきて、「UXデザインのお仕事ってなかなかないんだな」と思っていました。
そんな時に、土屋さんがAnywhereについてのツイートをされていて、「これだ!札幌でもUXの仕事ができるんだ!」とすぐに応募しました。

齋藤:地方において、UXで予算をしっかり取れる案件が少ない現実はあります。そのような中で、五ヶ市さんのように力を持て余している人にジョインしてもらいたいという狙いがありました。地方でもデザインができる仲間を集めたいというのがAnywhereを始めた目的です。
とは言え、経験者だけが欲しいわけではありません。例えば、これまで機会がなかっただけで才能を発揮できていないケースもあると思います。そういう方にAnywhereにジョインしていただき、どんどん才能を発揮して欲しいという思いもあります。ですから、経験を気にしすぎず、恐れずにチャレンジしていただきたいです。

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Goodpatch Anywhere:齋藤

白鳥:僕はまさに可能性が広がったことで拾われたメンバーだと思います。
UXをゴリゴリやっていたわけではなく、WebデザイナーやPM、ディレクターとして仕事をしていました。UXデザインにしっかり携わらせてもらうようになったのはAnywhereに入ってからです。
地方にいると仕事の幅が狭まるように感じており、都内の制作会社とリモートで一緒にお仕事していたこともありました。ですが、自分だけリモートだとどうしてもうまくコミュニケーションが取れないという苦い経験もしていて。そんなジレンマを抱えていた時にAnywhereを知り、応募したという流れです。


リモートは働きづらい?

ーー実際にフルリモートで働いてみて、常駐の会社員時代などど変わったことはありましたか?

五ヶ市:リモートはコミュニケーションが少なくなるんじゃないかという不安があったのですが、その心配は不要でした。
通常、お客さんに会いに行く場合、1週間前にメールでアポを取り、先方に会議室を予約してもらい、30分かけて移動して、受付で待って……と、とにかく会えるまでに時間がかかるんです。
ですが、リモートなら「今からZoomで話せますか?」と一本連絡を入れ、タイミングが合えばその場で話ができてしまう。
「コミュニケーション量が少なくなるのでは」という心配があったはずのなのに、結果として増えたことは大きな驚きでしたね。

もう一つ、UXデザインは現場で対面でやる作業がとても多くあります。ですが、多くの部分はテクノロジーが解決してくれました。よくある作業は、付箋を使って考えやユーザーの属性をまとめるワークです。
付箋も模造紙(フィールド)も無限にある状況でUXワークができることは、メリットでしかないです。

とは言え、やはり対面じゃないとできない作業もあります。例えば、ユーザーヒアリングです。
ユーザーの話を聞くという点に関してはリモートでも可能です。ですが、ユーザーのおかれている環境を知りたいとなると、現場に行かざるを得ません。その場合は、私は今でも現場に行きます。
ただそういう時にもリモートの知見は役に立ちます。通常のユーザビリティテストだと、ビデオを録画しておき、後ほど共有ということが多いですが、大抵の場合、後からビデオを見ることはないんですよね。
ですが、現場でZoomを繋ぎライブで配信すると、リアルタイムでユーザーのペインをメンバーと共有することができます。
現場でしかできないことでも、リモートの力をうまく活用できると、もっと豊かなワークができるようになるんです。

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Goodpatch Anywhere:五ヶ市

齋藤:AnywhereではZoomは全て録画され、そこからGoogleドライブにアーカイブされるまでプロセス化しています。ですから、いつでも情報を遡ることができ、無駄なコミュニケーションを減らすことができています。

また、リモートだからこそコミュニケーション量が増えたという話がありましたが、相手が大企業になればなるほどそれを感じます。
毎日ミーティングをしに行くというのは東京でもかなり難しい。でも「あなたのデスクで毎日15分だけ会えますか?」なら可能になる。そうすると日々共有される情報は必然的に増えます。アウトプットに対してのディスカッションもすぐできますし、コミュニケーションの速度や量はリモートの方が優勢なのではないかと感じます
リモートワークを始める勇気さえうまく補完できれば、大企業の方がバリューを感じてもらいやすいというのは経験則としてありますね。

ーープロジェクトマネジメントの観点ではいかがでしょうか。

白鳥:リモートとオフラインの差は特にないですね。プロジェクトマネジメントは、コミュニケーション量と紐づいてくるので、毎週プロジェクの振り返りをきちんと行うようにしています。
その振り返りを、オンラインツールのMiro上で行うことで、情報を俯瞰してみることができたり、どんどん蓄積していく事ができることは、デジタルツールを使用することのメリットだと感じます。

そういった意味で、デジタルツールを上手く利用し、パートナーと共に利益を享受するために、キックオフには気を遣っています。通信環境をよくするためにどうするか、オンラインツールの使い方など、細かく確認し合うことは、実際にプロジェクトが始まってから感じるメリットに大きく関わってきますね。

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Goodpatch Anywhere:白鳥

齋藤:導入のレクチャーは本当に大切ですね。Slackすら初めてというパートナーもいますので、「自己紹介をSlackでやってみましょう」「そこにスタンプをつけてみましょう」というところから丁寧にキックオフをしていきます。このキックオフをどれくらい手厚く行うかで、その後のコミュニケーション量が大きく変わっていきます

ーーデザイナーは、作業を進めながらどのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか。

佐々木:キックオフを大切にするおかげで、パートナーさんとのやりとりも非常にスムーズなのがAnywhereならではだと思います。
「このデザインいかがですか?」と投げるとすぐに反応が返ってきて、Figmaの画面をみながらその場でデザインをブラッシュアップさせていくことできます。
多くの場合、デザインを提出して、数時間後、遅いと数日後にパートナーからのお返事が返ってきて、そこから修正して、というボールのやりとりになりますが、その速度がぎゅっと凝縮される感じです。
またメンバー同士でも「ちょっとこのデザイン見てほしいんだけど」とお願いすると、すぐにレスポンスが返ってきて、デザインの壁打ちをする事ができます。
Anywhereに入る前は孤独な戦いで、淡々と作業する時間を過ごしていました。ですが、Anywhrereなら、チームメンバーやパートナーの声を即時反映しながら、速度をもってデザインをブラッシュアップしていける素晴らしい環境でデザインを作る事ができます。

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Goodpatch Anywhere:吉武


Anywhereで働く時のマインドセット

ーーみんな良いことしか言わないので、司会としてはやりづらいですね(笑)。
では、Anywhereメンバーとして必要なマインドはなんだと思いますか?

齋藤:フリーランスや社内にデザイナーが一人しかいないというような、比較的弱い立場で仕事をしていると、どうしても仕事をクロージングさせていくマインドになりがちです。「これで良いですか」「こうすれば良いですか」という、可能性を閉じていくようなやり方ですね。
ですが、それだとパートナーの期待を越えることができません。ですから、可能性をどんどん広げていって、最終的に良い落とし所を見つけられる仕事の仕方にマインドチェンジができる人に入っていただけると良いなと思います。

佐々木:パートナーの期待値を越えるという観点だと、様々な可能性を見せる、パターンを提示できるように心がけています。現実路線を示しつつ、夢を広げる案も出す感じですね。チーム全員で最高のものを目指す努力をしています。

あとはやはりコミュニケーションを大切にすることだと思います。
それぞれがフリーランスで活動していることもあり、メンバー間でなかなか時間が合わないといったケースもあります。
そのような場合には、お互い個別に作業しつつも、こまめにSlackで進捗を確認しあったり、かなり細かくコミュニケーションを取るようにしています。
最近ではDiscordタイムを揃えたりもしますね。「この時間はDiscordにいるよー」といったように。

齋藤:リアルでも同じことですが、ミーティングの時間だけで仲良くなるのは難しいです。隣で作業している時間もとても大切だと思っています。
AnywhereではDiscordと言うボイスチャットを繋ぎっぱなしにしていて、隣で作業している空気感を生み出すようにしています。
チャンネルの名前にカフェや喫煙所といった名前をつけておいて、「ちょっとここのカフェは人が多いから喫煙所行って話そう」というような、大人のごっこ遊びを取り入れたりももしています(笑)。

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五ヶ市:チーム間のコミュニケーションについては飛び道具を使わず、実直に行うしかありません。今日は何時から何時まで稼働できるとか、今日やるべきタスクは何か、やったタスクは何か、自分たちのタスクを見える化することで、時間のズレを補正しています。

白鳥:Zoomは録画ができるので、ミーティングの重要な部分だけ切り取って、「ここだけは見ておいてね」と、出席できなかったメンバーに共有することもあります。
メンバーの情報のキャッチアップについても、泥臭く聞いていくしかないですね。
Anywhereでは毎週、案件についてのメンバーアンケートを取っているので、必ず目を通してチームの状況を把握し、気になることは逐一潰していくようにしています。

五ヶ市:パートナーとの打ち合わせについても、話す時間が1日以上開くという状況はできる限りなくすようにします。打ち合わせがないからコミュニケーションが発生しないということは避けるべきことだと思っていますね。

齋藤:僕らがチームを作る時にインプットしているのは、心理的安全性が担保されたチームを作らなければならないということです。その状態を作るように全員が努力することを意識してもらうようにしています。


イベント前半部、事業責任者 齋藤によるAnywhereの概要についての講演はこちらから👇
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