K-1後の世界 ~Road to Reintegration~ 遥かなり、天下一武闘会
今回は、キックボクシング界の問題点について考えてみたい。
最大の問題点は、まあ、キックファンなら、ほぼ全員の人が感じていると思われること。つまりは、団体が乱立していて統一されていない、もしくは、団体間の交流が乏しいこと、だと思う。
このような状況だと、ベルトが濫造され、価値が下がってしまい、一体誰が強いのよ!? という不満が、ファンの中に燻ることになる。
一番強いやつは誰だ!?ということを決めるのが格闘技の世界のはずなのに、団体同士の交流は乏しく、誰が強いのかはっきりさせようとしない、この大いなる自己矛盾・・・
オラより強えやつ、どこだ⁉️
という、悟空の気持ちはどこへ⁉️
この問題は、個人的には2点に集約されてくるのではないかと考えている。
[1] 『カネ』
[2]『ルール』
である。
[1] 『カネ』
現状では、国内で旧K-1に匹敵するようなファイトマネーを出せる団体は、無い。
新生K-1、RISE、KNOCK OUTなどは、国内キック団体の中ではメジャーだが、ファイトマネー、賞金は大差が無いような印象を受ける。
似たり寄ったりの待遇であれば、慣れ親しんだ団体から離れたり、そのベルトをかけて闘うリスクをとろうとしなくなってしまうのもわからないではない。
旧K-1が有力選手を集められたのは、それだけの条件を提示できたからだろう。選手やそれを育てた関係者が納得できるだけのカネを払えた唯一の団体が旧K-1だったので、選手が続々と参戦していったのではないだろうか。
[2]『ルール』
ルールの面で言えば、首相撲と肘の取り扱いだ。
コアなファンは、
・肘打ちがあることによる、近距離での打ち合いの複雑化
・カットによる一発逆転があるため、試合終盤の緊張感が損なわれない
・首相撲でのテクニカルな攻防が観られる
ことなどから、首相撲・肘アリのルールに肯定的な面もある。
しかし、
・首相撲で展開が膠着する
・肘打ちによるカットでいきなり試合が終わってしまう
ことなどから、ライト層への訴求力は弱まってしまう可能性は大いにある。
というか、確実に嫌がられる。
カットによる血まみれの中での殴り合いとか、地上波ゴールデンで流すのは、テロ行為に近いだろ、という向きも…
まあ、そんな人、無視すればいいだけだよねっ!
無条件で無視!!
北斗無条件!!(錯乱気味)
お、おっと、
また、このルールの問題は、別の大きな要素も孕んでいる。
ムエタイの扱いである。
これは、かなりのデリケートゾーンである。
『だってこのルールだとタイ人無敵じゃん』疑惑が……
両者アリのルールの場合、それに親しんでいるムエタイ選手の存在が大きくなりすぎる可能性がある。
トーナメントを開催したら
『10人中9人はタイ人になってしまいました🧡』
テヘペロ🧡
ということでは、これまた盛り上がりに欠けてしまうことになる。
『💢そんなのそもそもタイでやれ』
という、身も蓋もないツッコミが入り兼ねない・・・
資金力でずば抜けた団体の無いこと、ルールの統一もなされていないことから、キックボクシング界はカオスとなっている。
少し前までは、漸く首相撲、肘ナシならK-1、アリならKNOCK OUTという流れができかかったように見えたが、KNOCK OUTがREBELSと提携して、REBELS勢が中心になってきていること、那須川天心がKNOCK OUTとの関係を薄めて軸足を完全にRISEに置いたことなどにより、この流れも頓挫してしまった。
個人的には首相撲・肘アリも好きだが、キックボクシング界の発展のためには、わかりやすい両者ナシの方向に舵を切り、統一がなされていくことが望ましいのかな、とも思う。
せめて、首相撲・肘ナシのルールの団体だけでも、統一されて欲しい・・・
那須川天心ー武尊戦の実現を期待しながら、秋の夜長にひっそり呟いてみた。
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