探求 第2章(心の中のことば編(1))
声に出さずに心の中で、「アーアー」と言ってみよう。
自分にだけは、確かに、その声が聞こえている。
とはいえ、他人に、その声は聞こえない。
そこに一人の人間が現れる。
---君のその「アーアー」は、本当に「アーアー」と言っているのかな? もしかしたら「ウーウー」の間違いでは?
---いや、確かに「アーアー」だよ。だって「アーアー」って頭の中で聞こえているもん
---でも僕にはまったく聞こえないし、もっと重要なのは、自分でそう強く思っているからといって、いつも正しいわけじゃないだろう。単なる思い違いということもあるじゃないか
---でも何度繰り返しても、どう考えても確かに心の中で「アーアー」と言ってるし、これが「ウー」だなんてありえない!
---でもそのことを他の人が聞いて確かめるわけにはいかないし、だからといって、「自分がとにかく確信している」というだけで、絶対正しいとは言えないではないか。
この話には3つの可能性が開かれている。
・エセ哲学者のばかげた戯言
・議論ゲーム(人を混乱させて喜ぶちょっとした意地悪)
・人間観察
慎重に進もう。さもないと、1に成り果てる。
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