【前髪パッツンライオンのたてがみトリミング説に物申す】
中国の動物園で飼育されているホワイトライオンのたてがみがあまりにもパッツン過ぎて不自然だというネタが巷で話題になっており、いささかの興味を抱かされた。
テレビでは動物研究家を名乗る御仁が人為的にやったのではみたいな発言までしているようだ。しかしながら、この”ヘアスタイル”が不自然であるとみなすのは、「ライオンのたてがみかくあるべし」というステレオタイプに囚われているためだと私は考える。そもそもライオンのたてがみは人間の頭髪と同じく個体差が存在するわけで、ロン毛もいればハゲも癖っ毛もいる。前髪が長く生えそろった個体がいても全然おかしくない。誰もがライオンキングや三越の入り口に座っているヤツのように立派なたてがみを持っているわけではないのだ。実際、以前タンザニアのセレンゲティで撮ったオスは、広州動物園のハンハン君ほどではないにしろ、かなりパッツンに近かった(写真2)
思うに、これが他国の動物園の個体であったなら、こんな騒ぎにはならなかったのではなかろうか?中国の動物園は、ティベタン・マスティフという毛の長い大型犬をトリミングしてライオンに”偽装”するなど、いくつかの中々に面白い”前科”を持っているためにこのような疑惑を持たれたものと想像する。しかし、ライオンのたてがみを切り揃えるとなると、これはかなりの大事だ。ちょっと大きめのワンコの毛を刈るのとはワケが違う。麻酔で眠らせた状態で行わねばトリマーの命がないだろうし、横たわっている状態のライオンの前髪を綺麗に揃えるのも、それはそれでかなりの技術を要求されるはず。
そんなわけで、私はこの件に関しては広州動物の「純天然、無加工、完全にナチュラル。人為的な加工は一切ない」という主張に一票を投じさせていただく(笑)