コーポレート・ガバナンス関連ニュース(2019/10/23)
ユニゾへのTOB、再び延長 フォートレス
【記事の注目ポイント】米系投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループは17日、ユニゾホールディングスに対するTOB(株式公開買い付け)の期間を11月1日までに延長したと発表した。延長は3度目。
【コメント】フォートレス、ブラックストーン、エリオットの3つのファンドでユニゾHDの経営権を取り合う構図となった。ユニゾの取締役会としては、この事態をどのように切り抜けるつもりなのか、次の動向が注目される。
スポーツ団体のガバナンス 官主導の実態
【記事の注目ポイント】テコンドー、体操など相次ぐトラブルに直面するスポーツ界が、官主導で定められたガバナンスコードに揺れている。スポーツ庁が今年6月、公表した「スポーツ団体ガバナンスコード」は表向き、競技団体の自主性が重んじられているが、組織運営に改善がみられないと補助金が減らされる可能性が指摘されているとのこと。
【コメント】スポーツ庁が主導した「スポーツ団体ガバナンスコード」はコーポレートガバナンスコードを参考に作られており、内容も似ている。記事の中でも触れられているが、コード自体は法的拘束力はなく、あくまで一つの規範であり、自主的にコードに遵守することを各団体には求められている。大相撲、ボクシング、レスリング、テコンドー、体操・・・と不祥事がないスポーツ団体の方が珍しいのではないかとさえ、思えてしまう日本のスポーツ団体の現状だが、少なくとも何もなかったところに規範を設けていくこと自体は団体の健全化に向けては一歩前進だろう。恐らく、今後も様々な場面で不祥事問題は出てくるだろうが、健全化へ向けた過程として見守っていく必要がある。
ソフトバンク、WeWorkに1兆円規模の支援--8割の株保有するも子会社化せず
【記事の注目ポイント】ソフトバンクグループ(SBG)はCEOの事実上の解任等で上場延期を発表したWeWorkに対して、約50億ドル(約5426億円)を新規に出資するほか、WeWorkの既存株主から最大30億ドル(約3255億円)の株式公開買付け(TOB)を実施すると発表した。支援規模は合計で95億ドル(約1兆308億円)規模となるとのこと。
【コメント】ビジョンファンドの最大の危機ともいえるこの事態に対して、孫さんが選択したのは、WeWorkへの更なる追加出資という全面的なコミットメントのようだ。SBGのCOOでスプリント再建を主導したマルセロ・クラウレが取締役会のエグゼクティブチェアマンに就任するなど、WeWork再建に向けて人的サポートも強化する模様。ここからどのように巻き返すかが注目される。