日々を綴る（33）5月25～26日

5月25日
好きなコーヒーの味を見つけてから、コーヒーを飲むことが日々のささやかな楽しみになっていたのに、味がわからなくて淹れる気にならない。富山で買ってきた豆もまだ試せていないままだ。しばらくの辛抱、と涙をのむ。先日言われた「人生の楽しみの大半は食だよね」という言葉を反芻する。真理だと思う。
それにしても、においもまったくわからないので異臭がしても気付けないという事実がおそろしい。火を使うたび、元栓のチェックをいつもより入念におこなう。
今月上旬に注文していた棚が届き、組み立てて、溢れかえっていた本を整理して、リビングの模様替えや片付けをしていたら、あっという間に5時間くらい経っていた。分ける、整える、並べる、そんな作業は昔から好きだ。

5月26日
夜中に咳をたくさんしたせいか、起きると左目が真っ赤になっていた。結膜下出血。不思議で何度も鏡を見てしまう。
期限が迫っていた作業を進めたり、本を読んだり、少しだけ外を歩いて最低限の買いものをしたり、切り花を買って飾ったりして過ごす。
こうしている間に外ではいろんな物事が進んでいっているんだろうな、と考える。小さな画面の光ばかり見るのはよくないし疲れるだけだということはいい加減理解しているので、ほどほどに、自分の言葉だけ放り投げてあとは画面を閉じて、代わりにラジオを聴く時間を増やした。
やっと少し回復してきた夫に味見をお願いしながら、肉じゃがを作る。どうやら美味しくできたらしい。よかった。